4.16 長時間労働シンポジウム
胸を張って働くために

4・16
 アメリカが「イラクに最後通告」をすると言った日の朝、世間では大騒ぎだったそうですが、わが社のビデオでは、「あのライバル社との戦争に負けてはならない」と大号令がかけられていました。
 3月30日、とうとうアメリカが空爆を開始した日にも、この高層ビルのなかは世間と隔絶されていました。
 年度末までの最後の10日間、わが社は、イラクではなく、あの会社を抜きさろうと言う話で一色でした。
 ほんとうにこの国も、このビルのなかもおかしくなっていると思います。
 こんな日々が、いつからもたらされたのでしょうか?
 こんな職場が、いったい、いつからもたらされたのでしょう?

 シンポジウムは、組合員の独白で綴ったオープニングビデオで開演しました。

「過労死は経営責任」…行政姿勢の転換と努力
 パネルディスカッションは、各界からのビデオコメントをはさみ、討論がすすみました。 第1のパートは、「長時間過密労働が労働者にどのような影響をおよぼすのか」。まず、虎ノ門病院産婦人科医の堀口雅子さんのビデオコメントが放映されました。堀口さんは、長時間過密労働が、女性の体、男性の体、そして、子どもたちに与える影響を問題提起しました。これを受けて、パネラー全労働の森崎書記長は、労働者のたたかいで労働行政は「過労死は経営責任」と姿勢を転換し、労働者の命と健康を守る立場で努力を続けていることなどを語り、押尾教授、加藤委員長は、それぞれ、産業や職場に与える影響を明らかにしました。

長時間過密労働がなぜもたらされているか
 第2パートは、神戸大学大学院教授山家悠紀夫氏が、構造改革が、いかに、強いものを助け、弱いものにしわ寄せし、労働者に深刻な影響を与えるかを語ったビデオコメントを受け、「長時間過密労働がなぜもたらされているのか」をテーマに討論されました。押尾教授は、「自由化」五年のもとの損保の競争は「無秩序、無節操、無責任競争に変わった」と指摘しました。これに続き、森崎書記長は行政のあり方、加藤委員長は再編「合理化」情勢の深まりとの関係から問題意識を論じました。

明日への展望をどうきりひらくか
 そして最後のパートでは、「明日への展望をどうきりひらいていくのか」をテーマに討論がすすめられました。  冒頭に戯作者の松崎菊也氏とテレビでも活躍されている人材育成コンサルタントの辛淑玉氏のビデオが流されました。辛さんは、ご自身の経験から、この社会で人間らしく生きることがどんなに否定されているかについて語り、まず休むこと、自分の生き方を考えること、そして声をあげることを、メッセージとして伝えました。パネラーそれぞれも、「労働行政を変えていくのは労働者・国民」、「現状を変えるための労働組合の大切さ」が、展望をひらく道として語りました。
 最後に加藤委員長が「いまの実態が“やはりおかしい”という世論をつくっていこう。今日のシンポジウムをその出発点として流れをつくって運動をすすめていければいい」と語り、パネルディスカッションは終了しました。  引き続いて、参加者100名以上にプレゼントが当たる抽選会がおこなわれました。 総合司会の東京地協・日動外勤支部の大塚和則さんとあいおい支部の水越弘美さんの軽快な進行で、会場を大いに盛り上げました。

実行委員会から仲間に呼びかけ
 最後に、実行委員会を代表して山本育生常任中央執行委員(日新支部委員長)から参加者に、「確認しあった実態への憤りと改善への思い、そして明日への展望を、声に出して職場に響かせましょう」とよびかけられました。565人が参加者したシンポジウムは、200人をこえる感想文が残され、会場いっぱいに共感をひろげ、終了しました。

 2004年8月5日
被爆59周年 原水爆禁止2004年世界大会連帯 損保平和交流集会





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