秋のたたかいに意気高くとりくむ決議

 世界経済危機の様相は、ますます複雑で不確かなものとなっています。我が国の経済も行き詰まり、財界が強行する国民・労働者犠牲の「乗り切り策」が景気回復の力を奪い、デフレスパイラルを加速させる悪循環が続いています。政治は、このような財界の暴走を止めるのではなく、その要望を後押しする政策を推し進めようとしており、国民の閉塞感は強まる一方となっています。
 このもとで、損保業界では、再編「合理化」情勢第二幕が急速に深化し、先行きが不透明なまま、「メガ損保」本位の寡占化と効率化が同時進行しています。そのもとで職場には、人件費・物件費の削減、矛盾の押し付けと仕事の高密度化、一人ひとりの心身の疲弊、将来不安の広がりなど、再編「合理化」情勢の「歪み」が様々な形で表面化しています。
 しかし、この状況は、「新自由主義」に基づくグローバル化、それに追従した我が国の「構造改革」が破たんする中でつくられたものです。世界においても、日本においても、従来の政治や経済のありかたを転換させようという流れは着実に太くなり、目に見える変化も生まれています。私たちは、不透明ではあっても、「次の時代」を争う激しいせめぎ合いのなかにおかれています。いまの激動は、展望ある明日をつくりだす可能性をはらんだものです。前進と試練が織りなした私たちの2010年度の経験も、その表れです。
 新年度、私たちは、このような情勢に向き合い、労働組合の役割を追求していきます。そのために、○人間らしさと一人ひとりの思いを大切にする、○働く者が支え合う拠り所となる、○自分たちのことは自分たちで答を出す、○自ら声を出し次の時代をきりひらく、の4つの視点を重視します。そして、その土壌となる運動と組織を培ってきた「全損保らしさ」を守り、いかしていくことを共通項に運動をすすめます。
 秋のたたかいは、そのスタートです。私たちは、大きなテーマとなる「財政、組織、運動の見直し」をはかりながら、雇用と人間らしく働ける職場を守る、損保産業の社会的役割を守る、人間を大切にする労働組合として奮闘する3本の柱でとりくみをすすめます。組合員一人ひとりのため、この労働組合に確信をもって、秋のたたかいで意気高く奮闘することを、ここに決議します。

2010年9月22日
第67回全損保定期全国大会



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