2014年春闘アピール

確信と展望 職場からいまをただし、
明日をひらく2014年春闘

 組合員のみなさん
 欧米では、緩やかな経済成長の方向へ動き始めていますが、アメリカの金融緩和策の縮小による金融市場への影響や、各国の財政課題、中国をはじめとした新興国経済の減速などもあいまって、世界経済の先行きはいまだに不透明な状況となっています。
 日本では、異次元の金融緩和策による円安、株高の進行により、輸出産業を中心として急速に業績を回復させ、各種経済指標は改善しています。しかし、その「実り」は大企業と一部富裕層にのみもたらされ、原材料など輸入価格の高騰により、中小零細企業の経営や家計にも大きな負担を与えています。このような状況から、政府が財界に対し「賃上げ」を要請し、春闘に対する財界の姿勢は例年より和らいでいるように見えますが、個別経営事情を優先する姿勢は変わっていません。さらに財界は、国際競争力の強化と先行き不安を強調し、資本の溜め込みと大規模なリストラ「合理化」を押し進めながら、国民・労働者や、地域経済に重大な犠牲と痛みを押しつけています。
 安倍政権は、「ねじれ国会の解消」と「数の力」を土台に、消費税増税を決め、財界やアメリカの要望を入れ、「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざして、労働分野をはじめとしたあらゆる分野での規制緩和の検討、安全保障戦略の見直し論議など、国民・労働者の生活や雇用、平和と民主主義を脅かす動きを強めており、春闘を通じて、国民的課題にも視野広くとりくむことが求められます。
 損保も、他産業と同様に円安、株高の影響と海外への進出により業績は好転しています。しかし、保険本業においては、国内市場の縮小と顧客囲い込み競争の激化、損害率の高止まり、自然災害の増加などによって、保険収益を確保することが難しい状況は続いています。加えて、不安定な資産運用環境や消費税増税の影響という課題も抱えていることから、損保経営の危機感は強まり、春闘においても保険本業の収支改善の必要性を強調する厳しい出方も想定されます。さらには、規模の大小を問わず、「収益の確保」と「収益力の強化」をめざし、事業再編や合併の具体化、事業費削減策が進められることから、損保の社会的役割が損なわれ、職場には歪みや矛盾が広がり、働く者に被害がもたらされることになります。
 2014年要求構築においてとりくんだアンケート、「一人一言」からは、会社、賃金、雇用への「将来不安」、押しつけられる矛盾や被害への不満が損保に働くものすべての共通項であることが明らかになり、私たちの将来を確かなものにしたいという要求と労働組合への期待が高まっています。一方で、経営者も政策を進めていくうえでは、労働者一人ひとりの頑張りが必要不可欠となり、その真摯な主張に耳を傾けざるをえなくなっています。このことを確信に、経営の一方的な出方を許さず、働く者の声と思いを主張していくことが求められます。

 組合員のみなさん
 2014年春闘は、先行き不透明に深まる損保情勢のもとで、「一人一言」、アンケートをはじめとした各種調査などで明らかになった一人ひとりの思いを大切に、すべての組合員が労働組合に結集し、私たちの展望をきりひらくためにたたかう春闘です。私たちはこの春闘で、
いま、もっとも求められる要求・課題を掲げ、労使交渉、職場会、交流・共同の場、情宣活動などあらゆる場を通じて主張を全面展開し、機関と職場一体で奮闘します。
情勢の根幹を握って離さず、これまでの春闘の到達点に立って、労働組合の力と可能性に確信を持ち、「生活と雇用、労働条件を守る」という不動のスタンスのもとでたたかいます。
お互いが直面する課題やとりくみを全体で共有し、納得と合意を大事に統一闘争をすすめます。

 働く者の声を土台に、職場からいまをただし、明日をひらくため、この春闘をたたかおうではありませんか。



2014年1月18日
全日本損害保険労働組合 支部地協代表者会議




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