27年にわたるたたかい
全面勝利解決
朝日火災争議 全面勝利報告集会(第一次)を開催
日時:9月20日 18時30分〜20時 場所:日本青年館4階「富士の間」 

あいさつする大田決提訴団代表
あいさつする
大田決提訴団代表
かたせる会呼びかけ人の歴代全損保中央執行委員長
かたせる会呼びかけ人の
歴代全損保中央執行委員長
かたせる会代表幹事会のみなさん
かたせる会代表幹事会のみなさん



集会参加者


朝日闘争、中労委で和解が成立

和解解決の概要
1.解決金 3億5千万円
2.在籍者8名の職能資格・等級、職位、基本給を是正する。
  (標準労働者水準の9割弱)
3.在籍者の内、不当配転未是正の6名を原則配転前職場へ戻す。
4.組合活動休暇不承認で賃金カットした金額を返還





全損保中執声明

〈声明〉朝日闘争の全面勝利解決にあたって
このたたかいを、労働者が大切にされる明日への一歩に

〈この手ごたえこそ勝利の確信〉
 205年9月15日、私たちは、27年にわたる朝日闘争の全面勝利解決を手にしました。中央労働委員会が勧告した和解内容は必ずしも満足のいくものではありませんが、朝日火災の不当労働行為の根本にある野村證券、金融行政を動かした確かな手ごたえに私たちは勝利を確信するものです。
〈「全損保らしさ」結実したたたかい〉
 朝日闘争は、労働組合への支配介入をやめさせ、違法行為に反対する仲間への差別と権利侵害をなくすという当然の要求を実現するたたかいでした。しかしそれは、損保産業の効率化をはかる金融行政と違法をいとわない野村證券に正面から挑むものとなり、経営者は裁判所や労働委員会の判決や命令も意に介さず、違法行為を改めないという困難が続きました。
 これに対し、全損保は、提訴団19名の要求実現を、自らの職場と生活に人間性をとりもどすたたかいと位置づけ、組合員一人ひとりが主人公のたたかいを粘り強くすすめてきました。参加した組合員はのべ65万人を超え、配布したビラは1700万枚を下りません。この勝利は、まさに、「一人ひとりの要求を大切にし、その実現のために努力し、どのような困難があってもゆずれないものはゆずらない立場にたち、断固たたかいをすすめる」という「全損保らしさ」を、すべての組合員の努力で貫き、結実させたものです。
〈瞬く間に広がった怒り 団結こそ展望〉
 同時に、この勝利は、野村證券包囲共同行動推進委員会の仲間との長年の共闘、この3月に結成された「野村證券の責任を追及し、朝日火災争議をかたせる会」へと、たたかいが広く発展する中で手にしたものです。最高裁判所の判決も守らない朝日火災、野村證券への怒りは瞬く間に広がり、全労連、国民春闘共闘委員会など68の労組・団体、数多くの個人の参加者の知恵と力がたたかいに束なりました。この勝利は、労働者が団結してたたかえば必ず展望はひらけるという証です。たたかいにご尽力いただいたすべての方々に心から感謝を申し上げます。
〈この勝利を明日への一歩に〉
 この勝利は私たちの大切な財産です。この勝利を、朝日火災だけでなく、損保産業全体で、不当労働行為がない、明るく働くことができる職場を守る力とし、今後に向けた全損保の運動と組織の発展、そして、労働者が大切にされる明日への一歩となるよう奮闘する決意です。
 最後に、献身的な努力を重ねていただいた弁護団に心から感謝し、19名の提訴団、ご家族の方々のこれまでのご労苦を心からねぎらい、全損保の運動と組織の前進に貢献をされた先輩として多大なる敬意を表します。
以 上
2005年9月15日
全日本損害保険労働組合中央執行委員会



全損保朝日提訴団声明
声  明
2005年9月15日
全損保朝日提訴団
  1.私たちの長い闘いを勝利し解決することが出来ました。私たちを支え自らの闘いとして、共に闘っていただいた全損保の仲間、「かたせる会」をはじめ全国の多くのみなさんに心から御礼を申し上げます。

2.11度断罪され、最高裁判所判決も実行せず、引き延ばしのみに専念し、最後まで自ら解決の努力をしなかった無責任な経営者には怒りで一杯です。中労委の和解案の組み立ては最高裁判所判決などからみて、理屈が通らないもので全く納得できないものです。これに基づいた解決金、現役の是正水準も満足できるものではありません。納得できない理屈と低水準の和解を「不服なら後数年闘え」と脅かして押しつけようとした中労委に何が労働者救済機関かと強く抗議するものです。

3.長い闘いで現役は8名になり、退職者の1名は残念ながら死亡し、高齢化とともに病人も増えています。私たちは「職場の仲間と団結して職場の自由回復を目指すため、金銭を深追いせず早期解決を図ることを重視する」ことで一致しました。この結論で一致できる団結を最後まで守れたことを誇りとしたいと思います。

4.和解の水準は量的に不十分ですが、現役の男子7名が課長格・課長への是正、配転未是正の現役6名全員が不当配転前の職場への配転を勝ち取りました。最高裁判決で現職場復帰を勝ち取った1名、緊急命令で不当配転是正をさせた4名と合わせ11名が在職中に配転是正を実現させました。差別支配を基本的には回復させたことで、経営者の不当な支配は許されないことを明らかにできたと思います。従って、涙を呑んで終結するのでなく勝利和解と胸をはってご報告できます。これを実現させたみなさんのご支援に改めて感謝するものです。

5.朝日の職場に働く仲間へ呼びかけたいと思います。私たちの闘いは経営者の違法行為は許せない、自由にものが言える職場を回復したい、労働組合を経営者の支配から独立させたいという願いで始めたものです。今回の解決がこの願いを実現する第一歩になったと考えています。現役はみなさんと話し合って、働きやすい、人間が大切にされる職場を目指して努力していきます。ぜひともご協力下さい。

6.法律・判決を守らせるのにこのように長い闘いが必要な現状は極めて異常です。憲法を改悪して戦争に国民を引きずり込む、働くものの権利を奪い生活を破壊する企てと一体化したものです。私たちは命ある限り、平和と民主主義を守り、働く仲間と共に闘うことで、ご支援いただいた皆さんに少しでも恩返しができればと考えています。   本当にありがとうございました。
以上



朝日火災争議をかたせる会声明

《声明》 朝日火災争議の全面勝利解決にあたって
巨大な相手でも、力をあわせてたたかえば勝利する


〈野村證券の「企業の社会的責任」を追及〉
 親会社野村證券は朝日火災に社長を送り込み、たたかう労働組合つぶしを行い、差別と権利侵害を行ってきました。朝日火災提訴団は、この違法行為は許さないと27年間、四半世紀を超えて不屈に闘い続けてきました。  法廷闘争は連勝し、2004年6月に最高裁の勝利判決が出されました。しかし、朝日火災は守ろうとしませんでした。親会社野村證券は2004年4月に「企業倫理規定」を定め、グループ企業すべてで「法令遵守と一切の差別はしない」と社会的に約束しました。しかし、朝日火災に対して最高裁判決を守らせませんでした。私たちは、今年の3月に全労連、春闘共闘、金融共闘の68の労働組合・団体で「野村證券の責任を追及し、朝日火災争議をかたせる会」を結成し、野村證券に「朝日火災に最高裁判決を守らせ、企業の社会的責任を果たせ」と争議解決の決断を求めてきました。
〈「会」結成後、半年の集中行動で勝利解決へ〉
 「かたせる会」は、全損保と力をあわせ、集中的なたたかいを展開しました。毎月の野村證券本社の座り込みと包囲行動は、野村證券に大きなインパクトを与えました。本社と連動した毎月の大阪支店行動、さらに全国の主要支店行動、株主総会、金融庁交渉などで野村證券の企業の社会的責任を厳しく追及し、争議解決の決断を迫りました。これらのたたかいで野村證券と朝日火災を追い込むことができました。このたたかいを背景に中労委での和解交渉が行われ、全面勝利解決をすることができました。
 いま、企業の社会的責任が厳しく問われている時代です。たたかい無くして、企業の社会的責任を果たさせることができません。朝日火災争議は人権を守り、企業の社会的責任を問うたたかいで貢献したと確信しています。また、「みんなと力をあわせてたたかえば、どんな巨大な相手でも勝利できる」ことを私たちに教えてくれた争議でした。朝日火災提訴団と家族の皆さん、全損保の皆さん、支援してくださった「かたせる会」の皆さんと全国の仲間の皆さん、本当にありがとうございました。
以上
2005年9月15日
野村證券の責任を追及し、朝日火災争議をかたせる会



弁護団声明
声  明
2005年9月15日
朝日火災事件弁護団
   本日、中央労働委員会において、朝日火災提訴団と朝日火災海上保険株式会社との間で和解の調印がなされた。  この和解調印により、昭和53年に始まる朝日火災における不当労働行為事件はようやく勝利・解決することとなった。
 これまで27年間にわたる不屈の闘いを続けてきた提訴団各位、その闘いを支え、また共に闘ってきたご家族、困難な職場の中で提訴団を物心両面で支援してきた朝日の仲間、朝日の闘いを自らの闘いと位置づけ活動を続けてきた全損保本部、各支部、各地協の組合員、「かたせる会」をはじめとする多くの支援組合・支援者の皆様方に対して深い敬意を表する次第である。
 この和解は、在籍中の者に対しては、職能資格・等級、職位並びに基本給を是正し、かつ、1年以内に不当配転前の職場(本店、大阪支店)あるいは本人の希望する職場に配置転換すること及び解決金を支払うことを主な内容とするものである。
 会社が続けてきた不当労働行為については、東京都地方労働委員会・中央労働委員会の各命令と東京地方裁判所、東京高等裁判所及び最高裁判所の各判決により法的には決着済みであり、当然の結果であり、遅すぎる解決でもある。  しかし、朝日火災経営のこれまでの対応は極めて異常ともいうべきで、本件(賃金昇格差別・支配介入事件)での東京高裁における和解協議を唯一の例外として、本件はもとより樋口勇氏に対する配転事件(神戸地方裁判所・大阪高等裁判所・最高裁判所の各判決により確定)、大田決氏に対する配転事件(東京地方裁判所の仮処分決定により異動)等においても、何度断罪されても、不当労働行為意思の自認としかいいようのない主張を繰り返しで、会社は「正当である」というばかりで、話し合いのテーブルにつくことを拒否して、一切解決しようとしなかった。
 今回の和解は、最高裁での確定判決を受け、提訴団及び支援組織が一丸となって、会社と野村證券に対して解決を迫る運動を旺盛に展開したことがようやく結実したものであり、その内容も、在籍者全員(1名の女性組合員を除き)を会社が管理職であるとして昇格について執拗な抵抗をした課長格に昇格させ、解決金額も東京高裁の和解案として示された額の数倍であり、さらには、除斥期間内に申立てがなされなっかったとして救済されなかった不当配転について、在籍者全員を元の職場への配転を実現させた点において、「困難な闘いを続けてきたよかった」と実感できる価値あるものである。
 会社がこれまでおこなってきた不当労働行為を真摯に反省し、これを契機として、朝日火災の職場において法令が遵守され、二度と差別や支配介入がなされず正常な労使関係が確立されることを強く願うものである。
 最後に提訴団はじめ関係各位に対して改めてお祝い申し上げるとともに、弁護団も提訴団・支援組織の方々とともに活動することによって、幾多のかけがえのないものを学ばせていただいたことに深く感謝するものである。


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