春闘統一行動
「意向確認」や監督対応など
金融庁に申し入れ
写真:常任中執代表が要請
常任中執代表が要請

写真:実態を伝える要請団
実態を伝える要請団
 4月16日、全損保は、2008年春闘統一行動の一環として、金融庁に「損保産業の社会的役割を守るための申し入れ」を行いました。全損保では、これまでも、国民・消費者のための損害保険を目指す観点から、金融・保険行政への諸申し入れにとりくんできました。「不払い、取り過ぎ問題」が表面化した2005年12月にも、二度と同様の自体を守らないよう抜本的な対応を求め、競争強化の方向ではなく、補償機能を重視した損保産業の発展をめざした行政を行なうよう申し入れました。
  今般、「不払い、取り過ぎ問題」への対処として進められている保険契約者の「意向確認」や、「募集網の質の向上」などが、新たな競争の激化をもたらし、深刻な問題を引き起しはじめていること。「金融資本市場競争力強化プラン」のもとで、損保再編「合理化」情勢が深まり、社会的役割と無縁の産業に変容していきかねない懸念が生じていること。金融庁が「ベターレギュレーション」を打ち出し、新たな監督対応を追及しはじめていることなどの事態を踏まえ、損保産業の社会的役割を守る観点から、実態や懸念を伝え、8点にわたり要望を行ったものです。要望の要旨は以下の通りです(→「要請書」)。

■要望の要旨
・「意向確認」について、画一的・機械的な対応をやめ、損害保険の特性と保険契約者の実情を踏まえて、柔軟にとりあつかってほしい
・「募集網の質の向上」が、効率性を尺度とした募集網の整理淘汰につながっている現状が深刻化しており、社会的役割を踏まえた損害保険募集のありかたをめざしてほしい
・損保の社会的役割を守る観点から、行政を進めるにあたり、労働条件の悪化に十分配慮してほしい
・損保産業の社会的役割を損なうような、業務範囲の拡大、ファイアーウォール規制の緩和などは再考してほしい
・「プリンシプル」に、金融各業態の社会的役割を守ることを明記し、損保については「我が国の社会に補償機能を安定的に提供する社会的役割を守ること」を明記・徹底してほしい
・監督・検査に当たっては、画一的・機械的にではなく、規模や特性に応じて損害保険の普及に役割を担っている実態を踏まえて、各社が社会的役割を発揮する観点を重視してほしい
・「ステークホルダーとの十分な意思疎通の確保」の観点から産業別労働組合との間で積極的な意見交換を行ってほしい
・無秩序な料率競争がすすまないようにしてほしい

写真:要請書を読み上げ趣旨説明
要請書を読み上げ趣旨説明

  これを受け、金融庁の担当官は、「『意向確認』に関する働く方々の受け止めははじめて聞いた。必要に応じて適切な見直しをはかることを否定はしない」、「労働条件への影響というが、サービス提供の悪化につながるような態勢であれば問題である」、「社会的役割を損なうような規制緩和は行っていない」、「プリンシプルは検討中。法規範ではないが、社会的に期待される役割を果たすこたえるということも観点となる」、「料率が安いことは消費者ニーズであると思うが、特約を増やして『不払い問題』を起こしたことは反省している。今後は起きないようにしていきたい」などとこたえました。また、産業別労働組合との意見交換については、要請を受けることは否定しなかったため、今後も必要に応じて要望を行っていくとあらためて伝えました。
  全損保は、今後も、職場の実態や思いを踏まえ、損保産業の社会的役割を守る観点から、金融行政への申し入れも含め、種々のとりくみをすすめていきます。
要望書

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