「広い視野で情勢を考える学習会」に
104名が参加
全損保外勤部・東京地協独立分会共催

104名が集まった外勤部・独立分会学習会
104名が集まった外勤部・独立分会学習会


 1月28日、全損保外勤部と東京地協独立分会共闘会議の共催で、「広い視野で情勢を考える学習会」が行われました。当日は、外勤関連支部および、損調、システム子会社、外資の仲間を合わせて、104名が参加しました。例年は、それぞれ学習会を開催していますが、今年は、深まる世界経済危機やTPP問題など、視野広く情勢を学ぶことをテーマに、共催として多くの仲間に呼びかけて開催しました。


講演に聞き入る参加者 講演する萩原新次郎先生
講演に聞き入る参加者

講演する萩原新次郎先生

 学習会は、東京地協小林議長の開会あいさつの後、昨年2月の衆議院予算委員会で「TPP問題」の参考人として意見陳述を行った横浜国立大学の萩原伸次郎教授に、「世界経済はどうなるの!?−欧州発世界不況とわたしたちのくらし−」と題した講演を受けました。
 萩原先生は、アメリカ経済を中心に、世界経済を専門に研究されており、講演では、ギリシャ財政危機に端を発した欧州危機の影響から、リーマンショック以降の世界経済の危機について、ユーロ圏、アメリカ、BRICS構成国などの現状と、その影響を受ける日本経済の状況について詳しく説明されました。そして、この「危機」に際して、アメリカ、フランス、イギリスの経済政策では、「富裕層に対する増税とミドルクラスに対する減税」の考え方が示されるなか、日本の政策は、「新自由主義」を踏襲し、あいかわらず財界・大企業に目を向けたものとなっていることを指摘しました。
 そのうえで、問題となっているTPPについて、「農業、医療に限らず、金融など、全産業的に大きな影響を与え、『弱肉強食』で多国籍の資本が一人勝ちとなるもの」として、大企業だけに有利で中小企業が淘汰される危険性を強調しました。そして、日本経済にはいま何が必要かについて、@各国同様に不公平のない応能負担という税制原則に戻る、A日米経済の平等化をはかる、B中小企業、農林水産業の振興、C社会保障制度の充実、D正規雇用の増大、同一労働同一賃金の原則の重要性を守った雇用の安定をあげ、最後に、「内需を拡大して経済を成長させることがもっとも大事であり、労働組合も経済状況の改善に向けて奮闘して欲しい」と締めくくりました。
 学習会のテーマどおり、政治や経済に目を向け、視野を広く情勢を見ることの重要性を認識した講演となりました。
 その後、各支部・分会からは、「歪み」が共通する情勢のもとで、職場にある課題の解消について、各支部・分会がていねいにとりくんでいることの報告がされました。最後に、澤田外勤部長が会議のまとめを行い、本日の学習会で学んだことを土台に視野広くとりくみをすすめていく意思統一がはかられました。


参加者の「一人一言」より
今日の講演でなるほどと思ったことが、給料を上げなければ経済は回っていかないという事です。賃金が下がれば、労働意欲も下がります。
本日のTPPに関する講演を聞いて、改めて、日本の政治への不信感と憤りを感じました。国民には消費税増税を押しつけ、政治家は口ばっかりで身を切らず、大企業は内部留保をさらに肥大化させ、しわ寄せはもうたくさんです。
毎日、TVニュースなどで、消費税増税や年金が将来、支払った額よりかなり損をするなど、今の子供たちにとって明るい未来が1つもないような気がします。子供もニュースを見て実感し、将来のことを不安に思っています。もっと明るい未来を描けるよう大人たちが努力しなければと思いました。
野田政権に不安を感じる。先生の話にあったように、日本の将来を底から変えていくために、オバマ大統領のようなやり方を学んでほしい。目先の消費税増税にばかり走らないで、雇用を安定させて、経済に反映するような方向にもっていって欲しい。
TPP参加が確定した場合、最終的にはデフレが進み、消費は落ち込むと思います。物が売れなくなれば、物保険の売上げは伸びなくなります。消費の拡大が業界の安定につながると考えます。消費を伸ばすためには、労働者の賃金を増やすことが必要です。
「新自由主義」がもう限界であると各国が気づき、政策転換をはかろうとしている中で、日本は今も「新自由主義」路線を突き進もうとしているのはどう考えてもおかしい。財界、政界にだまされてはいけない。「自分たちのことは自分たちで考え、答えを出し、自らの声をあげ、次の時代をきりひらく」という視点を持った全損保という労働組合はとても必要な組織だと思います。

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