全損保統一闘争へ結集し「賃金水準の
引き上げ」をかちとる
2018年春闘方針を全員一致で確立

全損保第77回定期全国大会を開催

要求実現にむけて
要求実現にむけて



討論のまとめをおこなう荒木書記長

討論のまとめをおこなう荒木書記長
開会する
山本賃対部長

議長の
黒沢代議員(共栄)

 3月14日、全損保第77回定期全国大会を東京(エデュカス東京)において開催しました。
 大会は、山本副委員長(賃対部長)の開会のあいさつにはじまり、黒沢代議員(共栄支部)を議長に選出した後、来賓として国民春闘共闘事務局長の橋口さん、全国金融共闘事務局長の金子さん、友好労組である大同労組委員長の比嘉さん、損保料率機構労組委員長の良原さんから挨拶を受けました。その後、荒木書記長が一般経過報告、及川財政部長が一般会計収支中間報告、川田会計幹事が監査報告をおこない、大同損調労組、自賠責損調労組からのメッセージ代読の後、浦上委員長が議案第1号「2018年春闘方針」を提案しました。

 浦上委員長は、東日本大震災から7年が経過してもなお、被災地の生活、地域の復興が遅れていることを指摘し、あらためて政治や経済が「被災地の方々が安心して暮らせるための生活の復興」へ果たす役割の重要性を強調しました。
 また、この5年間、「景気を浮揚させる」としてすすめてきた経済政策を振り返り、一部の大企業を「儲けさせる」だけで、中小零細企業との格差を拡大させ、地域経済や国民の生活にその恩恵がまわっていないこと、日銀の異次元の金融緩和とマイナス金利政策がもたらす被害について、具体的な指標を示しながら説明しました。
 そして、今後も安倍政権は、自画自賛しながら自らすすめる経済政策を押しとおしていくことが容易に想像できるとし、「富が一部大企業に集中するのではなく、経済政策の恩恵が地域経済や安定した雇用の拡大、労働者の賃金引き上げに回り、将来的な不安を解消していくことで、個人消費を拡大させていくことが何よりも求められている」と国民のための経済政策への転換を訴えました。
 また、政府の具体的な「賃上げ」要請を受けた財界の姿勢についても、「賃上げは社会的要請」としながらも、労働組合の要求に対し「4年連続で大幅な賃金引上げをおこなってきた状況下では極めてハードルが高い」と牽制していることを指摘し、「政府や財界の動向ではなく、春闘は私たちが主体的に要求を掲げかちとる場である」と訴えました。
 その上で、安倍首相が強調する「世界で一番企業が活動しやすい国」にするために、財界・アメリカの要望を受け入れ、あらゆる分野での規制改革と各種成長戦略がもたらす被害、「働き方改革」関連法案の問題点、改憲の具体的な動向など平和と民主主義が脅かされている状況について、強行的な政治姿勢と動向の危険性を指摘しました。
 一方で、「国民の声と行動が変化を生む」という「歴史的転換点」にある時代の特徴にふれ、「こうした政策をすすめる政権に対する国民の目は厳しくなっており、政治課題で多くの国民が『No』の意思を示し、市民が『反対』の声をあげて行動が広がっている」と強調し、「声に出して行動を起こせば、時代が変わる歴史的転換期であり、私たちが安心して暮らせる国にするためのせめぎあいが続いていることを確信に、声を出し力を結集してたたかうことで、私たちの明日を手にしていこう」と訴えました。
 損保情勢については、大手グループをはじめ中堅社も一定規模の黒字を確保する見通しであることを説明した上で、「事業環境が先行き不透明なことを理由に、経営の危機感は依然として強い」とし、中小社も巻き込んで損保各社の政策すべてが「収益力の強化」と「収益拡大」をめざしたものとなっていると指摘しました。その象徴として、外資における雇用攻撃の乱暴さを訴え、「損保でこうした乱暴な経営を許してはいけない」とたたかいへの結集を呼びかけました。
 そして、収益だけを追い求め、「合理化・効率化」を追求する過当競争が、補償機能という産業の社会的役割を喪失させ、政策の矛盾や歪みにより、損保に働くものの誇りと働きがいを奪っていることを職場の実態から説明し、将来不安がさらに高まっている状況を訴えました。
 その上で、「2018年春闘では、すべての支部・独立分会が『賃金水準の引き上げ』を柱とした要求に固執し、この労働組合に組合員が結集して職場からたたかおう」と訴え、春闘の具体的な方針を説明しました。


全会一致で春闘方針確立

討論をまとめる荒木書記長

佐藤副委員長が閉会のあいさつ
全会一致で春闘方針確立


討論をまとめる
荒木書記長

佐藤副委員長が
閉会のあいさつ

 この提案を受けた議案審議では、計28名の中執、代議員、オブザーバーから活発な発言がありました。損保の社会的役割発揮とかけ離れた各社政策の問題点、要員が圧倒的に不足し「歪み」が持たされる職場の現実、役割と働き方の「改革」などによる雇用や労働条件に対する不安の高まり、各社政策への疑問や問題意識が出され、外資のたたかいへの結集とともに、地域でのヨコのつながりの必要性などが語られました。審議の最後に執行部を代表して荒木書記長がまとめをおこない、2018年春闘方針が全員一致で確立されました。審議終了後、春闘宣言が採択され、佐藤副委員長の閉会挨拶・団結ガンバローで全国大会を締めくくりました。

 この全国大会で確立した春闘方針に従い、各支部・独立分会は3月15日に一斉に要求書を提出し、「全損保統一闘争のもと、職場からいまをただし、共感を広げたたかう」全損保の2018年春闘が本格的に始まりました。

» 春闘宣言





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