全損保第78回定期全国大会開催


全損保らしさを守り、仲間の声と思いからすべての運動を前進させよう

全損保結成70周年にむけた2019年度運動方針を確立

 9月20日、東京都千代田区にあるエデュカス東京で、全損保第78回定期全国大会が開催されました。

定期全国大会で団結を固めあった
定期全国大会で団結を固めあった


議長の沼崎君(Chubb Japan)
議長の沼崎君
(Chubb Japan)
 大会は、議長に沼崎君(Chubb Japan)を選任した後、全労連事務局長の野村幸裕氏、全国金融共闘事務局長・全証労協事務局長の金子正史氏、保険共済労組懇談会を代表して生保労連中央副書記長の小山貴史氏、友好労組から損害保険料率算出機構労働組合委員長の林功氏、大同火災海上労働組合委員長の比嘉順一氏から来賓のあいさつを受け、一般経過報告・採決をおこなった後、公募した70周年記念ロゴマークの優秀者を表彰し、議案審議に入りました。


「全損保の碑」について話す塚本さん 「この世界の片隅に」を紹介 「この世界の片隅に」を紹介
議長から70周年記念ロゴマークの優秀者表彰を受ける
左写真から、黒沢さん(共栄火災支部)、小野寺さん(日動外勤支部)、米沢谷さん(日動外勤支部)

 2019年度運動方針の提案は、中央執行委員会を代表して浦上委員長がおこないました。冒頭、豪雨や地震などの災害で被害にあわれた方々へお見舞いを述べ、速やかな保険金支払いのために損保従業員の懸命な役割発揮に対し敬意を表しました。その一方で、支払い自体が競争となり、働くものの労働条件が悪化していることに懸念が示されました。提案では、回復基調にあった世界経済について、アメリカと中国との間で拡大する“貿易戦争”や新興国経済の減速、難航するイギリスのEU離脱交渉に加え、地政学的リスクの高まりなど多方面にリスクが存在し、そのリスクが複合的に顕在化することで新たな「危機」が生じる懸念が深まるなど、先行きがますます不透明となっている状況を説明しました。
浦上委員長が運動方針を提案
浦上委員長が運動方針を提案

 世界経済と同様に不透明な日本の状況について、「雇用指標の改善など『アベノミクス』の成果を強調しながらすすめられる安倍政権の経済政策は、一部の巨大企業を『儲けさせる』だけで、国民・労働や中小零細企業にはほとんど恩恵を与えていない」と指摘しました。具体的には、金融緩和を維持し続ける日銀の金融政策がもたらす歪み、この間莫大な利益をあげてきた大企業がその資金を内部留保として溜め込み、労働者の賃金引き上げには回らず、実質賃金の低迷が消費意欲を減退させていることで個人消費が伸び悩み、外需依存となっている経済構造の問題点など、具体的な指標を示しながら説明しました。また、財界・アメリカの要望を優先し、国会内での「数の力」を使って、国民の声を軽視して乱暴にすすめる安倍政権の政治については、野党や労働組合、国民・労働者などが反対意見や問題意識を主張するなかで強行成立させた“働き方改革関連法”の問題点、毎年増加し続ける防衛費や国民に不安や被害をもたらす各種成長戦略、安保関連法の具体化による自衛隊への新任務の付与、急ピッチに深まる改憲の動向など、平和と民主主義を破壊する動きが強まっていることを説明しました。一方で、多くの市民が「反対」の声をあげ行動が広がっていることを紹介し、「こうした動きは、いまを変える歴史的な変化が現実のものとなっていることの表れ」とし、自らの声と力を強めていく必要性を強調しました。
 損保情勢では、大手グループをはじめ中小社も業績が好調となっている状況を説明したうえで、国内における顧客囲い込みによるマーケットシェア競争の激化、収益拡大の一方で多様なリスクを抱え込む懸念を持つ海外事業とともに、IT化など保険事業における技術革新への対応など大手経営の姿勢と施策にふれ、「こうした競争は中小社も巻き込み、損保各社の政策すべてが収益力の強化をめざしたものとなっている」とし、各社がすすめる事業費削減と労働生産性の追求が「損保に働くものの生活と雇用、労働条件を脅かしている」としました。そして、「こうした経営の姿勢が外資系2社で生じた雇用攻撃の要因となった」とし、全損保全体でたたかい、当事者の納得いく解決をはかった“外資のたたかい”について、その成果と到達点を説明するとともに、「経営の目が『収益重視』に偏重するとすれば、同様の事態が起きらないとは限らない。あらためて収益を尺度とする雇用攻撃は許さないことを共通の認識にしておかなければいけない」と強調しました。そして、こうした政策が今後も乱暴にすすめられていけば、補償機能という損保の社会的役割が失われ、働くものの誇りと働きがいを奪い、損保労働者への犠牲転嫁とともに、消費者へも被害を与えるとし、「こうした事態を払拭し改善することができるのは、日々疑問を持ちながら働いている損保労働者の声である」として、職場の仲間が疑問を声に出し、労働組合がその声を土台に主張していくことが、産業、企業、職場を健全にさせていく唯一の道であることを訴えました。
 そのうえで、「運動、組織、財政の見直し」の到達点を土台に、各支部・独立分会が支え合いながら産業別単一組織の良さと機能、これまで果たしてきた役割と築いてきた到達点を後退させず運動をすすめてきた1年を振り返り、その成果を強調しました。そして、全損保が2019年11月5日に結成70周年をむかえることを紹介し、「長い歴史のなかで培ってきた全損保の良さや成果、到達点、教訓を組合員へいかに伝えていくのかを考えながら、『人を大切にする労働組合』として、この国、産業、職場、平和と民主主義を守るために、『人が集まって語り合う』ことを実践し、70周年にむけたスローガン『仲間の声と期待を力に全損保らしく歩みつづける』のもと、多くの仲間がいっそう団結し、働くものの立場から、『生活と雇用、労働条件を守る』という原点にたちきって運動をすすめていこう」と呼びかけました。

 午後の討論では、中執、代議員計30名が発言しました。発言は、マーケットシェアを競い合う過当競争や効率化政策、各地の災害支援の状況などがもたらす職場の被害が報告されるとともに、2018年春闘、地域での「交流・共同の場」、平和と民主主義を守る運動、外勤部や独立分会のとりくみ、女性のつどい、サマージャンボリーなどでの前進面が報告されました。そして、地域で「組合員が集まり語り合う」ことの大切さが確信となりました。討論のまとめを荒木書記長がおこなった後、2019年度運動方針以下すべての議案を全会一致で確立し、「秋のたたかいを意気高くすすめる決議」、大会スローガンの採択、新年度役員を選出し、新たな年度の運動をスタートしました。




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