朝日火災争議 全面勝利の軌跡
すばらしい仲間に支えられた、たたかいでした


大田 決 (全損保朝日提訴団 代表)
 誰も想像もしなかった長いたたかい、支え共にたたかっていただいた仲間のみなさんへの感謝、感謝です。全損保の役員・組合員。証券の仲間。全国一般の仲間。全労連はじめ、たたかう組合の仲間。すばらしい仲間に支えられたたたかいでした。特別の人間ではなかった提訴団が団結を守り抜き、信じられないようにねばり、行動できたのはこの支えのおかげです。たたかいの初期「危機宣伝」攻撃の中1,000名の組合員が団結し不当な攻撃には屈しない、納得できない我慢はしないとたたかいました。仲間を信じる、仲間を裏切らない、労働者の団結がありました。
 この団結を破壊しようと一人ひとりに踏み絵を強い、仲間を、自分の良心を裏切らせる卑劣な支配介入への反撃。監視の下に集会で泣きながら、震えながら発言させられた職制、裏切れば人間でなくなるがたたかう勇気と展望が持てないと職場を去った多くの仲間、病気になり退職後命を絶った仲間、たたかいの半ばで亡くなった仲間、いつまでも顔が忘れられません。絶対に許せないという怒りがたたかいの力でした。
 「たかが1,000名のサラリーマン組合、数年もたたずに」と言った野村證券に27年かかったが勝ちました。  たたかいが終わって、みんなが本当に喜んでくれました。職場でがまんしていた仲間、一時は会社の手先になった仲間、退職した仲間、たたかいの途中で辞めた仲間、みんなが支え期待していたからです。差別と暴言で支配していても心までは支配できなかったのです。
 人間の強さと弱さをいやというほど見せられ悩まされました。仲間と組合の団結が信じられたときの強さ、孤立させられ脅迫と懐柔で迫られ仲間の裏切りで人間不信になったときの弱さ。一度は屈従しても善悪の判断は失わず、勝利を喜ぶ人間の善性に救われました。

朝日火災争議全面勝利報告集(抜粋)(PDF)
 「悪いことは悪い」「駄目なものは駄目」「たたかいをやめねば負けない」「たたかいを広げれば勝つ」「仲間を、人間を信じないで人間として生きられない」たたかいの中でそれぞれが得た経験と確信、一人ひとりが大事にしていきます。
 私達の生き方を許し、人並みの生活をあきらめ、支えてくれた家族に残された時間でどれだけ報えることができるでしょうか。
 職場でがんばる者、解放されて生きる者、それぞれが場はちがっても、人間が大切にされる世の中、それを目指す多数派づくりの努力をしていきます。
 仲間のみなさん、本当にありがとうございました。