2006年春闘アピール
主張から、いまをただし、
明日をひらく06春闘


組合員の皆さん
 いま、この国には、大企業の好業績のもとで、「二極化」と言われるほど貧富の差が拡大し、利益第一のモラルなき企業の不祥事が続発し、自殺や過労死の不安が絶えない労働者も数多く、いつ巻き込まされるか知れない異常な犯罪が続発し、その中で人口が減少していく、深く傷を負った社会が現れています。その社会の姿そのものが息苦しさをもたらしていますが、同時に、「現代の治安維持法」と呼ばれる共謀罪の法令化、表現や報道の自由に対する圧力をはじめ、国による自由や権利への重圧も強められています。しかも、社会を傷つけた「政・財」一体の「構造改革」は、身勝手にもさらに加速され、「戦争をする国」への変質を狙い、個人の自由や権利を脅かす憲法改悪への動きも高じています。
 損保では、1998年の「自由化」を境にした、社会的役割を歯牙にもかけない競争が、産業の基本的機能を深く傷つけ、「保険金不払い問題」という痛恨事を生みました。競争に明け暮れる職場では、圧倒的な要員不足、過大な経営目標、誇りを見出せない仕事、隅々に張り巡らされる成果主義、形骸化した「残業対策」、実態を踏まえない雇用の多様化などがもたらす、数多くの問題が表面化しています。
 しかし、「自由化」政策は反省されず、産業全体が、グローバル競争、金融コングロマリット化の動きに巻き込まれ、出口の見えない競争にのめりこんでいます。また、この時期に、東京海上日動社が、利益追求の手段として外勤社員を切り捨てる暴挙をはじめたのも偶然ではなく、この競争の現れです。競争はいよいよ、働くもの一人ひとりに有無を言わせず、「何をやっても許される」局面に入りはじめています。
 このように、「新しい時代」−国や資本が、過去の政策の行き詰まりや将来の危機を、もたらす被害や矛盾の大きさを承知で突破をはかり、大がかりに個の主張や権利を圧迫していく時代−がまた一段、深化しています。

しかし、組合員の皆さん
 私たちの目の前にある社会と損保の姿は、本質を避けた突破策が身勝手に重ねられるほど、今の被害と矛盾はさらに大きくなり、展望ある明日につながらないという本質を、誰の目にも明らかにしています。「新しい時代」とはまた、いまをただす主張を広げるほど、共感が大きくなり、明日をひらく力に結びつく時代です。現に、この国でも、草の根からの声に共同が広がり、明日に向けた力強い躍動が生まれています。
 だからこそ、私たちは、この時代をみすえ、2006年春闘を、主張から、いまをただし、明日をひらく春闘としてたたかいます。
 具体的には以下を重点に運動を前進させます。
○より攻勢的に改革する春闘スケジュールの下で、機関と職場が一体で、働くものの主張を広げ、
共感を広げる統一闘争を全面展開し、要求実現をめざす
○全組合員が、「働くためのコンプライアンス運動」(ルールをつくろう・主張しよう・守らせよう)
の冊子を手に、すべての運動をすすめる。
○朝日闘争の勝利を力に、制度廃止に立ち向かう日動外勤支部のたたかいを、組織あげ、全面的に支える。

組合員の皆さん
 この2006年春闘で、労働組合の場から、自らの主張を響かせ、明日をひらく努力に、一歩を踏み出そうではありませんか。







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