春闘宣言

 いま、財界は、春闘さえも自らの危機突破の場としようとし、居丈高に労働者の処遇の切り下げを叫んでいます。世界的な経済危機がいまだ混迷し、深化するなかで、労働者や中小企業への犠牲転嫁で危機を突破しようという大企業の身勝手さは、この国の経済をますます閉塞させるばかりです。この春闘の根幹には、国民・労働者が大切にされるのか、財界優先・対米追従の従来路線をすすむのか、この国の未来を争うせめぎあいがあります。
 このもとで、損保再編「合理化」情勢第二幕が深まっています。4月には大手3グループが約9割のシェアを握る寡占化が現実となり、大衆分野の料率競争も視野に、従来の延長線上では語れない効率化競争がすすもうとしています。これは、損保産業を、市場原理を基盤に再編成しようというもので、寡占化と効率化の同時進行が、産業にかつてない激変をもたらそうとしています。その影響は、すでに、将来不安、生活や労働実態の悪化、メンタルヘルス関連の疾患の増加など、アンケートや調査の数値にはっきり表れ、職場に広がっています。組合員の「一人一言」には、この現状を変え、確かな明日を手にしたいという主張が満ち溢れています。
 私たちは、このような情勢と職場の現実を直視し、2010年春闘を、「主張こそエネルギー 力を合わせ 明日を切りひらく」というスローガンのもと、○雇用と人間らしく働ける職場を守る、○産業の社会的役割を守る、○人間を大切にする労働組合として奮闘することを3本の柱にたたかいをすすめます。支部・独立分会は、いま最も求められている要求と課題を掲げ、統一闘争のもとで、その実現のため全力でたたかいます。地協は、職場の仲間が「交流・共同の場」を一つでも多く築くとともに、広く労働者の連帯に加わり、核廃絶に向け、5月のNPT再検討会議に代表を派遣します。
 日動外勤のたたかいは、「保険募集を続けたい」という本人たちの要求を、まさに、主張をエネルギーに、全体の力を合わせて、実現したものです。517万枚に達した「手渡し&ポスティングビラ」、2万枚を超えた「手書き要請ハガキ」、毎月重ねた共同行動など、一つひとつのたたかいから築いた到達点に確信をもって、私たちは、この春闘をスタートさせます。本日確立された春闘方針のもと、諸要求・諸課題実現のため、職場で、地域で、機関と職場が一体となって、2010年春闘を意気高くたたかうことをここに宣言します。

2010年3月17日
第89回全損保中央委員会



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