参議院選挙にあたって訴えます

国民が幸せになれる政治とするために、
確かな一票を投じよう



 本日公示され、7月10日に投開票がおこなわれる参議院選挙は、私たち国民にとって大変重要な選挙となります。

 組合員のみなさん
 安倍政権は、2012年12月の政権発足から「デフレからの脱却」を旗印に、異次元の金融緩和をはじめとした「アベノミクス」をすすめ、株価上昇と円安により企業業績は急激に回復しました。しかし、生み出される利益は、内部留保として蓄積され、その総額は366兆円を超えて増え続けています。一方、2014年4月の消費税増税と、原材料の輸入価格高騰が中小企業経営を圧迫し、食料品など日用品の値上がりと実質賃金が増えない状況が続いていることから、家計にも大きな負担を与えており、私たち国民の生活実感は悪化し続けています。また、一時的・臨時的とされてきた派遣労働を常用化しようとする労働者派遣法の改悪を実施し、「残業代ゼロ」、「解雇の自由化」を目論む労働分野の規制改革もすすめようとしており、不安定で低処遇の非正規労働者をさらに増加させる危険性があります。こうしたことから、個人消費は伸び悩み、金融資産を持たない世帯や生活保護受給者が増加するなど、格差が拡大してきています。このように、安倍政権がすすめてきた経済政策の成果は大企業にのみ集中し、地域経済の振興や安定した国民の暮らしには結びついていないことは誰の目にも明らかです。また、この国の将来と、これまで守ってきた平和と民主主義を破壊する政策も、国民の声に耳を傾けず強行に進められてきています。特定秘密保護法、武器輸出三原則の緩和に続き、集団的自衛権の行使を容認する「安全保障関連法」も、かつてない規模で高まった「反対」の声と行動を無視して強行成立させました。そして、6月19日におこなわれた党首討論会で安倍首相は、「次の国会から憲法審査会を動かしていきたい」と発言するなど、改憲の動向は強まっています。原発再稼働やTPPの大綱合意など、国民的課題についても、国民の暮らしよりもアメリカや財界の要望を優先する政策をすすめています。
 こうした政治のありかたを誰も良いとは思っていません。

 組合員のみなさん
 いま、政治に求められるのは、大震災・原発事故や各地で発生する大規模災害からの地域住民が望む復興と、国家財政の健全化、労働者の雇用の安定と賃金引き上げによる個人消費の活性化によって内需が拡大し、誰もが景気回復を実感できる経済政策の遂行です。さらには、平和と民主主義を守り、国民・労働者が幸せに暮らせる国に向かう方向性を示すことです。今回の参議院選挙は、このような政治のありかたがまさに根底から問われる選挙です。大事なことは、アメリカ、財界優先の政治ではなく、国民の暮らしを最大限優先する政治の針路に変えたいという願いを、どの政党、どの候補者に託せば、その実現がはかれるのかを真剣に考え、主権を発動することにあります。「安保関連法」や原発再稼働などに反対する多くの国民の声や行動は、いままさに日本が歴史的岐路にあることを示しており、私たちが、大きく視野を広げ、その思いを投票に結びつけたとき、この選挙の結果が日本の将来を変えていく力になるはずです。
 損保ですすめられる再編「合理化」情勢第二幕の先行きも、政治のありかた、この国の針路と結びついています。将来に向けた不安を解消し、展望を持って、家庭で、職場で、人間らしく生き、誇りと働きがいを持って働くことができるように、私たち一人ひとりが、それぞれの思いを一票に込めることが大切です。根底からこの国の針路をただし、産業と職場、一人ひとりの明日を変えようではありませんか。

 組合員のみなさん
 そのためにも、組合の会議や職場で率直に討論や意見交換が行われ、一人ひとりが選挙の争点を十分に理解し、投票に臨むことを期待します。期日前投票なども活用し、必ず一票を投じましょう。また、選挙の基本的な前提として、組合員の思想・信条、政党支持の自由が保障されなければなりません。そのことからも業界ぐるみ、企業ぐるみの選挙は断じて許されません。
 すべての組合員のみなさんが、この参議院選挙に積極的に参加し、私たち主権者の代表を選ぶ大事な一票を投じることで確かな選択をされることを、心から呼びかけます。
2016年6月22日
全日本損害保険労働組合
常任中央執行委員会(拡大)



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