秋のたたかいを意気高くとりくむ決議

 世界経済は、多岐にわたる課題を抱え新たな「危機」が生じる懸念も強まるなど、その先行きの不透明さは増しています。6年半におよぶ「アベノミクス」は、一部の大企業に莫大な利益をもたらしてきましたが、その恩恵は中小零細企業には行きわたらず、地域経済の衰退と企業間格差の拡大をもたらしました。そして、不透明さを増す世界経済の動向を受け、その企業業績にも停滞感が生まれています。さらには、物価上昇と低水準の賃上げを要因に実質賃金は減少し、消費税も含めた増税や社会保障費の負担増などによる国民の将来不安の高まりは、個人消費を減少させ続けています。
 こうしたなかでも安倍政権は、自らすすめる経済政策を自画自賛しながら、アメリカ、財界の要望を優先し、国会を軽視して「数の力」で国民に被害を与える成長戦略を押しすすめています。財界の求めに応じて「使い勝手のいい労働者づくり」の環境整備となる「働き方改革関連法」も強行成立させ、社会保障の改悪を検討するなど、国民・労働者には暮らしや働き方、雇用への不安が広がっています。そして、国民の思いに反して改憲の動きを強め、「戦争ができる国」へ突きすすむ姿に、多くの国民が危機感を持っています。
 こうした危機感は、安保関連法や労働法制改悪に反対する抗議の行動を国会周辺から全国各地へ、労働組合・民主団体から市民へ広げ、いまを変える歴史的な変化を現実のものとしつつあります。国民の声や思いが重視され、いのちや暮らし、この国の平和と民主主義が大事にされる「次の時代」を手にする力は、私たちの声と行動です。
 損保では、業績は好調に推移していましたが、相次ぐ大規模自然災害による保険金支払いの増加で保険本業における収支に大きな影響を与えています。さらには、事業環境が先行き不透明なことを理由に、企業規模の大小を問わず、損保経営の危機感は依然として強くなっています。そのもとで大手グループはマーケットシェア競争を激化させ、中小社もそこに巻き込まれていることから、各社の政策すべてが収益力の強化をめざしたものとなっています。こうした政策は、働くものの生活と雇用、労働条件を脅かし、働きがいの喪失と「不安」が蔓延する職場をつくりだしています。健全な損保産業の明日や、働きがいのある仕事や生活も、そこに働くものの声と思いから運動をすすめていくことで実現します。
 結成70周年を迎える新年度、私たちは、築いてきた成果と到達点を全体で確認し合うことを土台に、企業や職場をこえて「人が集まって語り合う」場を中心にすべての組合員がこの労働組合へ結集し、産業別単一組織の良さをもつ「全損保らしさ」をいかして運動を前進させていきます。そのスタートに秋のたたかいを位置付け、〇雇用と人間らしく働ける職場を守る、〇損保産業の社会的役割を守る、〇人間を大切にする労働組合として奮闘する、3本の柱でとりくみをすすめます。結成70周年記念スローガン「仲間の声と期待を力に全損保らしく歩みつづける」を文字どおり実践し、働くものの生活と雇用、労働条件を守り抜き、国民的課題にもとりくむ決意をあらためて固め、秋のたたかいを意気高くとりくむことをここに決議します。

2019年9月20日
全損保第80回定期全国大会



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