労働組合の動き

年月日 主な出来事
2024年11月21日 副業の割増賃金、連合が「現行制度の堅持」主張 厚労省研究会に反論
労働者が副業した場合に本業との労働時間を通算して法定外労働分の割増賃金を計算する現行制度について、労働組合の中央組織・連合は21日、「堅持すべきだ」とする見解を示した。厚生労働省の有識者研究会は、副業の促進に向けて労働時間を通算しない制度への見直しを提言しており、これに反論した形だ。連合はこの日、労働基準法の改正などを検討する有識者研究会が12日に示した報告書の骨子に対する考え方を公表した。1日8時間・週40時間の法定時間を超えた労働に対する割増賃金は、長時間労働を抑えるための制度。芳野友子会長は会見で「(副業先と)労働時間を通算して割増賃金を支払うのが連合の方針だ」と話した。
2024年11月12日 副業促進へ、割増賃金の「労働時間通算ルール」見直し 厚労省が検討
1日8時間・週40時間を超えた労働に支払う割増賃金について、厚生労働省は、本業先と副業先の労働時間を通算して計算する現行制度を見直す検討に入った。複雑な仕組みを改め、副業や兼業を促進する狙いがある。労働基準法は1日8時間・週40時間を法定労働時間と定めており、使用者はこれを超えて働かせる場合は労使協定(36協定)を結び、割増賃金を払う必要がある。さらに厚労省の通達で、労働者が企業に雇用される形で副業した場合も、本業先と副業先の労働時間を通算した上で、法定外の労働分の割増賃金を支払う仕組みになっている。
2024年11月12日 正規職員・従業員、前年同期比39万人増/労働力調査・詳細集計7〜9月期平均
総務省は12日、「労働力調査(詳細集計)」結果を公表した。2024年7〜9月期平均の役員を除く雇用者は5,772万人。うち、正規の職員・従業員は前年同期比39万人増の3,656万人、6期連続の増加。非正規の職員・従業員は、同17万人減の2,116万人で、11期ぶりの減少。非正規として働く理由は、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が722万人(同6万人減)、「家計の補助・学費等を得たいから」が354万人(同25万人)。「正規の職員・従業員の仕事がないから」は176万人(同7万人)。失業者は196万人(同7万人減)。失業期間別にみると、「3カ月未満」は82万人(4万人増)、「1年以上」は50万人(11万人減)。就業者6,800万人のうち、追加就労希望就業者は185万人(同8万人減)。非労働力人口3,979万人のうち、潜在労働力人口は31万人(同8万人減)。
2024年11月7日 住友生命、中堅社員の収入を最大5割増 脱・年功序列
住友生命保険は2026年4月から中堅社員の年収を最大で5割引き上げる。社員が持つスキルや役割に応じた評価制度を取り入れ、年功序列の人事制度を見直す。主に30代以上の約4000人が対象になる。中堅の処遇改善は長年の課題で、社員が希望するキャリアを描きやすくなるよう後押しする。6日、会社が労働組合に伝えた。専門性を軸にした役割等級制度を導入する。
2024年11月7日 日産、世界で9000人削減へ 北米不振で業績悪化、生産も2割減
日産自動車は7日、世界全体での生産能力を20%引き下げ、人員を9000人削減すると発表した。保有する三菱自動車の株式約34%のうち10%を上限に同社へ売却する方針も示した。主戦場とする北米や中国での販売不振などを背景に業績が悪化しており、構造改革により収益力の立て直しを急ぐ。
2024年11月7日 冬のボーナス、2.56カ月/連合・回答集計(第1回)
連合は7日、「2024春季生活闘争 年末一時金(第1回)・企業内最低賃金協定(最終)回答集計」結果を発表した。年末一時金は、組合員一人あたり加重平均で2.56月(昨年同時期2.41月)、82万7,478円(同79万3,542円)、いずれも昨年実績を上回った。同日発表された企業内最低賃金協定(最終)は、闘争前に協約があり、基幹的労働者の定義を定めている場合では、回答組合の単純平均で、月額18万77円/時間額1,115円、基幹的労働者の定義を定めていない場合では、月額17万8,122円/時間額1,070円となった。
2024年11月6日 パートの賃上げ目標7%に引き上げ 最大産別のUAゼンセン、来春闘
繊維や流通、外食などの労働組合でつくる国内最大の産業別組織、UAゼンセン(組合員数約190万人)は6日、来年の春闘でパート従業員の時給の引き上げ目標を80円(7%)にする方針を明らかにした。最低賃金の引き上げ加速などを受け、70円(6%)とした今春闘を上回る目標を掲げた。UAゼンセンはこの日に千葉県浦安市で開いた会合で方針案を説明した。来年1月の中央委員会で正式に決定する。正社員については、今春闘で「6%基準」とした月給の賃上げ目標を据え置く。内訳は、定期昇給2%を前提に、賃金体系を底上げするベースアップを4%基準とした。
2024年11月1日 諮問会議の「特別会合」で賃上げ策を検討 石破首相が表明、年内にも
石破茂首相は1日の経済財政諮問会議で、専門家らを入れて賃上げ策を練る「特別会合」を開く方針を明らかにした。複数回を予定し、初回は年内を見込む。物価高を上回る大幅な賃上げを定着させるため、働き手の学び直し(リスキリング)や中小企業の経営改善を促す施策づくりを急ぐ。諮問会議は、メンバーの民間有識者から意見を聞いて経済政策の方向性を固めるもの。首相による締めくくりのあいさつは報道陣に公開される。この日、石破政権では初めて開き、首相が掲げる「日本創生」や、近くまとめる総合経済対策などを議論した。
2024年10月30日 最低賃金1,500円に向け「政労使会議」開催へ 実現には曲折も
石破茂政権は、政府・労働組合・経済界の代表が集まる「政労使会議」を近く開き、最低賃金を引き上げるための具体策を練る方針を固めた。来月にもまとめる総合経済対策に盛る。石破首相は1時間あたりの最低賃金を2020年代に全国平均で1,500円にしたい考え。だが、現状から4割超の引き上げとなり、曲折も予想される。政府は30日、労働組合の中央組織・連合の芳野友子会長や日本商工会議所の小林健会頭らがメンバーで、経済政策を議論する「新しい資本主義実現会議」(議長・石破首相)を開き、経済対策に入れる重点施策を決めた。
2024年10月28日 今年の賃上げ率は平均4.1% 過去最高を更新 厚労省調査
厚生労働省が28日に公表した2024年の賃金調査で、1人あたりの平均賃金の引き上げ率は、前年より0.9ポイント増の4.1%となり、比較可能な1999年以降の最高を更新した。労働組合がない中小企業にも賃上げが広がっているが、大手との差はなお残る。「賃金引き上げ等の実態に関する調査」は7〜8月に実施し、従業員100人以上の企業1783社が回答した。賃金を引き上げた・引き上げると答えた企業は91.2%で、引き上げ額は前年比2,524円増の1万1,961円。引き上げ率は4.1%で、初めて4%台になった。
2024年10月23日 米ボーイング、スト継続 35%賃上げ案を組合員が否決 深まる苦境
米航空機大手ボーイングの労働組合は23日、35%の賃上げを含む新たな労働協約の受け入れを拒否した。組合員の投票で64%が反対した。9月に始まったストライキは継続し、主力機の生産が止まり続けることになる。航空会社や部品を供給する日本メーカーへの影響も深まりそうだ。
2024年10月23日 10%以上賃上げ、全労連が要求へ
労働組合の中央組織・全国労働組合総連合(全労連)は22日、来年の春闘の賃上げ目標を今年と同じ「10%以上」にする方針を発表した。月額では今年より2千円高い3万2千円増、時給は200円増を求める。物価高で実質賃金のマイナス基調が続いており、高水準の要求を続けるという。
2024年10月22日 連合の賃上げ目標「理解できる」 経団連会長、「価格転嫁が大事に」
来年の春闘の賃上げ目標をめぐり、労働組合の中央組織・連合が全体で「5%以上」、中小企業は「6%以上」とする方針を決めたことについて、経団連の十倉雅和会長は22日の記者会見で「連合の運動論として理解できる。経団連もぜひ持続的な賃上げを定着させたい。定着を合言葉に取り組んでいきたい」と述べた。連合が中小向けに全体より高い賃上げ目標を掲げるのは11年ぶり。
2024年10月20日 スト続くボーイング、「35%の賃上げ」提案 23日に組合員投票へ
米航空機大手ボーイングは19日、35%の賃上げを含む新たな労働協約を労働組合に提案したと発表した。組合はこの協約を組合員にはかり、23日に投票を実施する方針。経営難のボーイングにとって、9月から続くストライキの終結は最優先の経営課題で、組合員が受け入れるかに注目が集まる。
2024年10月16日 春闘賃上げ、中小「6%以上」要求 大手と格差是正狙い、連合が方針
来年の春闘の賃上げ目標について、労働組合の中央組織・連合は16日、中小企業向けの要求水準を「6%以上」とする方針を固めた。物価上昇が鈍化するなか、大手を含む全体の賃上げ目標は「5%以上」とした今年の目標を据え置く方向だ。中小向けはより高い目標を掲げることで、大手との格差是正を進める狙い。18日に発表する。中小向けに全体より高い賃上げ目標を掲げるのは、2014年以来11年ぶり。
2024年10月3日 25春闘では「(経済社会の)ステージ転換が確実となるよう取り組む」/連合中央委員会
連合(692万9000人)は3日、都内で中央委員会を開き、2025年度活動計画などを確認した。芳野会長はあいさつで、33年ぶりの高い賃上げ率となった24春闘について、「『ステージ』転換に向けた大きな一歩となった」と評価する一方、「大手組合と中小組合の賃上げ率の格差が拡大したことは率直に受け止めなければならない」などと指摘。2025年の春季生活闘争に向け、「これまでの取り組みや課題をしっかりと踏まえて、ステージ転換が確実となるよう取り組む」姿勢を強調した。
2024年9月26日 サントリーHD、来春も7%賃上げめざす 実現すれば3年連続
サントリーホールディングスは26日、来年の春闘で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給などを合わせて7%程度の賃上げをめざすと表明した。実際の賃上げ幅は労働組合との交渉で決めるが、実現すれば3年連続で7%程度と大幅な賃上げをすることになる。ベアを3年続けて行うのは2000年以降では初めてだという。同社は昨年10月にも、春闘に先駆けて7%程度の賃上げをめざすと表明。実際に今春、グループ社員約7200人を対象に月1万3千円のベアを含む約7%の賃上げを実施した。
2024年9月19日 イオングループ労連会長の永島智子氏が新会長に就任/UAゼンセンの定期大会
わが国最大の産業別労働組合であるUAゼンセン(189万4000人)は18、19の両日、神奈川県横浜市で定期大会を開催し、「2024労働条件闘争まとめ」を含む2024年度の活動報告を確認するとともに、2025・2026年度運動方針を決定した。闘争まとめは「物価上昇分を一定程度上回り生活向上分を確保する結果を獲得できた」などと総括した。役員改選では、松浦会長が退任し、副会長で流通部門長を務めていた永島智子・イオングループ労連会長が新会長に選ばれた。同会長に女性が就任するのは今回が初めて。
2024年9月13日 夏季一時金の平均妥結額は89万円、過去最高/厚労省集計
厚生労働省は13日、2024年民間主要企業夏季一時金妥結状況を公表した。平均妥結額は89万8,754円で、前年比5万3,197円(6.29%)の増加。過去最高の額となった。平均要求額は93万7,922円で、同6万8,809円(7.9%)増。集計対象は、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある326社。
2024年9月5日 「近年にない大きな成果を挙げ、社会全体への波及効果も」と今春の賃上げ交渉を総括/自動車総連の定期大会
自動車総連(79万9,000人)は5日、新潟県新潟市で定期大会を開催し、2024年春季生活闘争(「2024年総合生活改善の取り組み」)の総括を確認した。今春の取り組みでは、賃金改善分の平均獲得額が7,696円となり、賃上げが復活した2014年以降で最高水準を記録。金子会長はあいさつで、「近年にない大きな成果を挙げ、未組織や取引先をはじめ日本社会全体への波及効果も一定程度あった」などと評価。来春闘に向けて「道半ばである取引の適正化を加速させ、立場の弱い人に寄り添った活動を進めていく」考えを示した。また、大会では2024〜2025年度の運動方針の補強内容も決定。現在121日の年間休日数を5日増やして126日にすることを目指すと方針に明記した。
2024年9月5日 実質賃金が0.4%増、2カ月連続プラス 賞与が押し上げ 7月
物価の上昇分を差し引いた働き手1人あたりの7月の「実質賃金」は、前年同月より0・4%増え、2カ月連続でプラスとなった。主な要因はボーナス(賞与)の大幅増で、プラスの定着はまだ見通せていない。厚生労働省が5日、7月分の毎月勤労統計調査(速報)として発表した。労働者が実際に受け取った「名目賃金」にあたる現金給与総額は、3.6%増の40万3490円で、31カ月連続のプラスとなった。実質賃金の計算に使う7月の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は3.2%上がり、この物価上昇分を差し引いた実質賃金は0.4%増と、かろうじてプラスになった。
2024年9月2日 賃上げは定昇分込みの加重平均で1万5,878円、5.23%に/フード連合大会
食品関連産業で働く労働者を組織するフード連合(11万4,000人)は9月2日都内で第23回定期大会を開き、今春の賃上げ交渉のまとめを確認した。賃上げ結果は、総額(加重平均)で1万5,878円、5.23%と、フード連合結成(2002年)以来、最も高い水準。まとめは、「高い賃上げの流れを多くの組合に広げることができた」などと評価する一方で、「食品関連産業で働く労働者の相対的地位の向上」に引き続き取り組む姿勢を示している。
2024年8月30日 賃金改善額、平均賃上げ額ともに過去最高に/JAMの定期大会
金属、機械関連の中小の労働組合を多く抱える産業別労組、JAM(36万7,000人)は8月29日から2日間、東京都内で第26回定期大会を開催した。2024年春季生活闘争総括を確認するとともに、2023年の定期大会で決定した。「2024・2025年度運動方針」にもとづく2025年度活動方針を決定した。今春闘の賃金改善分の単組平均額は8,030円で、平均賃上げ妥結額は1万1,576円となり、ともに過去最高を記録した。活動方針では、企業組織の再編などにより、労使関係や組合員の雇用・労働条件に影響がでている組織が散見されることから、労使対等性など建設的な労使関係の構築を取り組むことなどを補強した。
2024年8月30日 被災地自治体職員の8割超が地震以降に業務量・労働時間が増えたと実感/自治労石川県本部の被災自治体メンタルヘルス実態調査
能登地震発生以降、被災自治体で業務量や労働時間が増えたと感じる割合が8割超に――自治労(71万7,000人)の石川県本部が実施した「2024年能登半島地震による被災自治体におけるメンタルヘルス等に関する実態調査」では、被災自治体職員の過酷な労働実態が明らかとなった。調査結果によると、退職を考えた人が約6割、精神的不調を訴える人も45.9%に及んでいる。カスタマーハラスメントについては、7割以上が被害を受けた・見聞きしたと回答。うち9割以上が復旧・復興の妨げになると感じており、自治労石川県本部は、人手不足の解消と法的対応も含めた対応の強化を訴えた。
2024年8月30日 人事院勧告を踏まえた給与の引き上げや会計年度任用職員の処遇改善など当面の闘争方針を提示/自治労の定期大会
地方自治体の職員などを主に組織する自治労(71万7,000人)は8月29〜30日まで千葉県千葉市で定期大会を開催した。当面の闘争方針では、秋季・自治体確定闘争の取り組みとして人事院勧告を踏まえた給与の引き上げや中堅層の改善、中途採用者の賃金改善、会計年度任用職員の処遇改善などを提示。組織力向上については、石上委員長が新規採用者や会計年度任用職員なども含めた組織化の強化を進める考えを強調した。
2024年8月30日 中小企業の賃上げ率4.0%、平均1万円超える/経団連調べ
経団連は8月30日、2024年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)の最終集計を公表した。従業員数500人未満の17業種754社を対象に実施。集計可能な17業種389社の総平均は1万712円(4.01%)。前年の8,012円(3.00%)を額で2,700円、率で1.01ポイント上回り 2000年以降の最高値を更新した。業種別では、製造業1万1,010円(4.09%)、非製造業1万278円(3.89%)。規模別では、100人未満9,188円(3.59%)、100〜300人未満9,778円(3.67%)、300〜500人未満1万1,974円(4.43%)。8月5日に公表の大手企業賃上げの最終集計は、1万9,210円・5.58%だった。
2024年8月27日 フリーランス労災、連合が団体設立=加入手続き支援、相談窓口も
連合は27日、企業からの業務委託を受けて働くフリーランスの労災保険加入を支援する団体を設立した。名称は「連合フリーランス労災保険センター」(東京)で、加入手続きを行うほか、相談窓口も担う。政府が加入できる対象を拡大する11月1日に受け付けを開始する。加入者は月600円の会費や収入に応じた保険料を支払う。建設業の一人親方など、これまでも労災保険に加入できた一部の人々は対象外。連合が6月に実施した調査によると、フリーランスとして働く人の2割が仕事中や通勤中に休業を余儀なくされるけがや病気を患ったと回答。一方、労災保険の加入について「利用したいと思わない」や「分からない」と答えた人は8割近くに上っており、認知度の向上が課題だ。
2024年8月26日 労組の「未来」、対面活動の重要性を指摘 連合と連合総研、新目標の設定打ち出す
労働組合の中央組織・連合と連合総合生活開発研究所が、「労働組合の『未来』を創る」と題した報告書をまとめた。組織率低下によって労組の存在感が低下するなか、組合コミュニケーションの刷新や組織率にとどまらない新たな目標と指針の設定を打ち出した。報告書は総論と研究者らによる16の論文で構成されている。
2024年8月9日 給与の電子マネー払い、「PayPay」認可 労使協定や同意書必要
厚生労働省は9日、給与を電子マネーで支払える資金移動業者として、ソフトバンク子会社のQR決済大手「PayPay(ペイペイ)」を認可したと発表した。昨年4月に給与のデジタル払いが解禁されて以降、事業者の認可は初めて。企業がデジタル払いを利用する際には、労働組合などと労使協定を結ぶ必要がある。さらに従業員から同意書を取る必要がある。ペイペイを使う場合、企業はペイペイが指定する銀行口座に一部の給与を振り込めば、自動的に従業員のペイペイアカウントにチャージされるという。企業側がシステム開発をしたり、新たにペイペイと契約したりする必要はない。一方、チャージ残高は20万円が上限で、従業員はこの範囲内でペイペイにチャージする金額を決められる。
2024年8月8日 国家公務員の月給2.76%増、33年ぶり上げ幅1万円 人事院勧告
人事院は8日、2024年度の国家公務員の給与について、行政職で月給を1万1,183円(2.76%)引き上げるよう国会と内閣に勧告した。月給の引き上げ幅が1万円を超えるのは1991年以来33年ぶり。ボーナスは0.10カ月分多い4.60カ月分とした。定期昇給分を合わせた賃上げ率は4.4%。民間企業の歴史的に高い賃上げが公務員にも波及する。対象は、検察官や自衛官らをのぞく国家公務員約28.5万人。月給とボーナスの引き上げは3年連続。今回の月給の引き上げ幅は、3,869円(0.96%)だった23年の勧告の約3倍となる。
2024年8月7日 夏季賞与・一時金の妥結状況を発表/経団連
経団連は7日、2024年夏季賞与・一時金の大手企業業種別妥結結果(加重平均)の最終集計を発表した。妥結額平均は94万1,595円で、前年比4.23%増。業種別平均は、製造業98万6,369円(同3.55%増)非製造業83万6,150円(同7.57%増)。従業員500人以上の主要22業種大手244社を対象に、平均額が分かる156社について集計している。
2024年8月6日 6月の実質賃金、27カ月ぶりにプラス転換 過去最長のマイナス脱す
物価の上昇分を差し引いた働き手1人あたりの6月の「実質賃金」が、前年同月より1.1%増え、2022年3月以来27カ月ぶりにプラスに転じた。主な要因は変動の激しいボーナス(賞与)の大幅増で、今後もプラスが続くかは不透明だ。厚生労働省が6日、6月分の毎月勤労統計調査(速報)として発表した。労働者が実際に受け取った「名目賃金」にあたる現金給与総額は、4.5%増の49万8,884円。30カ月連続の増加で、1997年1月以来約27年ぶりの高い伸び率だった。実質賃金の計算に使う6月の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は3.3%上がったが、名目賃金の上昇がそれを上回ったため、実質賃金も1.1%のプラスになった。物価高を受けた前年割れは、過去最長の26カ月連続(2022年4月〜24年5月)でストップした。
2024年8月2日 主要企業の今春闘賃上げ率5.33% 33年ぶり水準 厚労省まとめ
今年の春闘について厚生労働省は2日、主要企業の賃上げ率が、基本給を底上げするベースアップと定期昇給を合わせて5.33%(前年比1.73ポイント増)だったと発表した。1991年以来33年ぶりの高水準となった。集計対象は、資本金10億円以上、従業員1千人以上の労働組合がある348社。賃上げ額は月給平均1万7,415円で、第1次石油危機時の74年以来50年ぶりの高さとなり、65年の統計開始から過去2番目の高さだった。産業別の賃上げ率は、2年に1度春闘をする鉄鋼(12.49%)が最も高く、造船(6.53%)、機械(6.45%)が続いた。他の産業も5〜3%台で、全産業が前年を上回った。
2024年8月2日 AIを人事評価に活用、日本IBMが労組に情報開示へ 和解成立
日本IBMが人工知能(AI)を利用した人事評価について、同社の従業員が加盟する労働組合が会社側にAIの詳細を説明するよう求めた労使紛争が和解した。労組が2日、記者会見で明らかにした。AIの使用するデータや評価内容を労組側に開示する内容で、AIによる雇用管理に対して国内の法規制が未整備の中、労組が透明性確保の監視役を担う。和解は1日、東京都労働委員会で成立した。
2024年7月19日 組織の7割超を占める中小労組への支援体制を強化/JEC連合定期大会
化学・エネルギー関連産業の組合でつくるJEC連合(12万5,000人)は7月18、19の両日、京都府京都市で定期大会を開き、昨年の大会で決めた「2024〜2025年度運動方針」の補強内容を決定した。補強方針は、組織の7割超を占める中小労組への産別全体でのサポート強化や、部会中心の活動のあり方を見直す必要性などを提起。組織拡大にあたっては、組合員を増やす取り組みだけでなく、減少の歯止めとなる情報も加えて連携することも打ち出している。大会では24春闘の「まとめ」も確認。堀谷会長はあいさつで、格差是正に向けた中小組合への支援について、「様々な取り組みを行ったが、まだまだ課題の残る結果だ」などと述べ、支援の継続と対応強化の必要性を訴えた。
2024年7月19日 労災の死亡者数1.0%減、休業4日以上死傷者数2.2%増/厚労省
厚生労働省は19日、2024年の労働災害発生状況(7月速報値)を公表した。死亡災害は、死亡者数が299人で前年同期比1.0%減少。業種別では、第三次産業11.7%減、陸上貨物運送事業8.7%減で、建設業14.8%増など。休業4日以上の死傷者数は、5万4,134人で前年同期比2.2%増。業種別では、第三次産業3.9%増、陸上貨物運送事業2.5%増、建設業2.3%減など。公表数値は、新型コロナウイルス感染症のり患による労働災害を除いたもの。
2024年7月19日 東京都のカスハラ防止条例案 9月議会に提出へ 制定なら全国初
客が理不尽な要求をするカスタマーハラスメント(カスハラ)の防止条例案を、東京都は9月の定例都議会に提出する。都によると、同種の条例は都道府県では例がないという。カスハラは社会問題化している一方、定義や、従業員保護のための企業の措置を定めた法がない。都は昨秋から、労働組合や商工団体、都の幹部や有識者らでつくる検討部会を設置し、対応を協議してきた。罰則は設けないが、都がガイドラインや業界共通のマニュアルを作り、禁止行為の具体例を示すなどとしている。
2024年7月18日 人員増を実現させる予算確保と長時間労働是正の取り組みを/日教組中央委員会
日教組(20万人)は7月18日に都内で中央委員会を開き、教職員の賃金改善や学校の働き方改革などを重点方針とする「当面のとりくみ」を確認した。賃金改善について、24春闘の賃上げの流れを人事院勧告につなげて「やりがいを持って働ける職場を作る」(梶原委員長)必要性を指摘。長時間労働是正とワーク・ライフ・バランスの実現に関しては、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)」の廃止・抜本的見直しに向けて社会的な発信を強化するとともに、夏の概算要求に向けて、人員増を実現させる予算措置の確保や長時間労働を是正する取り組みなどに注力する。
2024年7月12日 「2025年20万労連」の必達に強く拘る仲間づくりを/情報労連定期大会
NTTやKDDIなどの労働組合でつくる情報労連(19万4,000人)は7月12日、都内で定期大会を開き、昨年の大会で確認した中期運動方針を補強する2024年度の運動方針を決めた。方針は、残りあと1年に迫った「2025年20万労連」の組織拡大目標の達成を目指して、「結果を出すことに強く拘る仲間づくりに取り組む」ことを提示。労働政策では、労働時間の適正化に向けて、時間外労働の縮減や有給休暇の取得促進に加え、勤務間インターバル制度の導入や、「つながらない権利(勤務時間外の連絡ルール)」の確立等、各組織の実態を踏まえた取り組みを進めることも掲げている。
2024年7月12日 大企業の夏季ボーナス、前年比3%増/経団連第1回集計
経団連は12日、2024年夏季賞与・一時金の大手企業業種別妥結状況(加重平均)の第1回集計結果を発表した。妥結額平均は98万3,112円で、前年比4.31%増。業種別平均は、製造業100万1,780円(同3.52%増)非製造業92万5,249円(同6.79%増)。業種別で増加率が最も高かったのは「自動車」(17.83%増)で、次いで「セメント」13.54%増)、「鉄道」(11.50%増)。従業員500人以上、主要22業種大手244社を対象に平均額が分かる97社について集計している。
2024年7月11日 2025年の賃上げ「実施予定」は67.6%/経済同友会
経済同友会は11日、経営トップ等を対象に実施した2024年6月の「景気定点観測アンケート調査」結果を発表した。景気の現状について、前回調査(3月)と比べ、「拡大している」が4.3%から2.1%に「緩やかに拡大している」が67.6%から56.9%へ減少したことなどから、景気判断指数は35.7から26.0へ低下。雇用判断指数はマイナス46.0(前回45.6)で、3期連続で不足超が拡大した。25年の賃上げについて、「実施予定」は67.6%、「実施予定なし」は5.0%。賃上げ率(年収ベース、見込)は「4〜5%未満」(30.3%)が最多で「3〜4%未満」(23.9%)、「2〜3%未満」(21.1%)と続く。過去1年のコスト上昇分の価格転嫁状況は、製造業では「5割以上8割未満」(41.2%)が最多だが、非製造業では「2割未満」(28.1%)が最多で、5割未満が約6割。労務費の転嫁割合は、製造業では「5割以上8割未満」(30.6%)、「全く転嫁できていない」(16.3%)、「2割未満」(14.3%)で、非製造業では「全く転嫁できていない」(21.9%)、「2割以上5割未満」(18.4%)、「5割以上8割未満」と「2割未満」(17.5%)。
2024年7月3日 春闘の賃上げ率、33年ぶり5%台 実質賃金のプラス転換が焦点
今年の春闘について労働組合の中央組織・連合は3日、定期昇給(定昇)を含む正社員の賃上げ率が平均5.10%だったとする最終集計を発表した。物価高や人手不足を受け、政労使がそろって賃上げを訴える異例の展開となり、1991年以来、33年ぶりに5%台を記録した。今後は、物価の上昇分を差し引いた実質賃金がプラスに転じるかが注目される。最終集計は、1日午前10時までに回答があった傘下の5450組合分をまとめた。組合員300人未満の中小3816組合の賃上げ率は4.45%、300人以上の大手1468組合は5.19%だった。パートや契約社員など非正規労働者の賃上げ率も、時給ベースで過去最高の5.74%となった。
2024年6月25日 最低賃金、過去最高の引き上げなるか 「家計は赤字」「経営苦しい」
企業が支払わなければいけない最低限の時給にあたる最低賃金について、今年度の引き上げ幅の目安を決める議論が25日、厚生労働省の審議会で始まった。最低賃金は、労使の代表と有識者の3者でつくる中央最低賃金審議会が毎年議論し、全都道府県を3ランクに分けて引き上げ額の目安を提示。この目安を参考に、都道府県ごとの審議会が改定額を決め、10月から順次適用される。昨年度の改定では、全国加重平均の最低賃金が、過去最高となる43円(4.5%)の引き上げで1,004円となり、初めて1千円を超えた。最も高い東京都(1,113円)をはじめ8都府県が1千円台となる一方、最も低い岩手県(893円)など12県は800円台にとどまる。
2024年6月19日 賃上げは単純平均で8,318円、3.17%に/国民春闘共闘の24春闘中間総括
全労連や純中立労組懇などで構成する国民春闘共闘委員会(代表幹事:小畑雅子・全労連議長)は6月19日、都内でオンラインを併用して第2回単産地方代表者会議を開き、2024年春闘の中間総括を確認した。5月23日時点の賃上げ集計では、回答引き出し組合の単純平均が8,318円、3.17%。国民春闘共闘によると、額で1998年以来26年ぶり、率では1997年以来27年ぶりの水準。この結果について小畑代表幹事は、「26年ぶりとなる8,000円台賃上げを勝ち取ってきたが、3%程度の賃上げでは急激な物価高騰に追いつかない」などとして、今後「最低賃金・公務員賃金・ケア労働者賃金の抜本的改善を求めていく」姿勢を強調した。
2024年5月31日 「ステージ転換に向けた大きな一歩」と総括する2024春季生活闘争の中間まとめを確認/連合の中央委員会
連合(681万7,000人)は5月31日、千葉県浦安市で中央委員会を開催し、2024春季生活闘争の中間まとめを確認した。直近の回答集計で、定昇相当分を含めた賃上げ率が5.17%と1991年以来となる5%台を実現しているとともに、ベアや賃金改善などの「賃上げ分」が、比較可能な2015闘争以降で額・率ともに最高となっている状況をふまえ、中間まとめは「産業・企業、さらには日本経済の成長につながる『人への投資』の重要性について、中長期的視点を持って粘り強く真摯に交渉し、主体的に大きな流れを作った結果」だと評価し、「ステージ転換に向けた大きな一歩として受け止める」と総括した。
2024年5月28日 全職員の生活改善にむけた給与勧告の実現を求めることを柱とする当面の闘争方針を決定/自治労中央委員会
地方自治体の職員などを組織する自治労(71万7,000人)は5月27、28の両日、全面ウェブにて中央委員会を開催し、当面の闘争方針を決定した。方針は、2024人勧期にむけた取り組みとして、好調な民間企業の春闘妥結状況や物価高を踏まえて、全職員の生活改善にむけた給与勧告の実現を目指すことを強調。また、災害応急作業等手当の対象業務の拡大・手当額の引き上げ要求や、消防本部間の格差解消といった消防職員の処遇改善に取り組むことなども提示している。
2024年5月24日 2024春季生活闘争の中間総括を確認/JAMの中央委員会
金属、機械関連の中小の労働組合を多く抱えるJAM(36万7,000人)は24日、都内で中央委員会を開催し、2024春季生活闘争の中間総括を確認した。直近の集計では賃金改善額や改善額の獲得組合数は過去最高となっているものの、中間総括は「全体では規模間格差が更に拡大している」と指摘。「JAMの要求基準を満たす賃金水準を確保することが重要」などと今後に向けた課題を提起した。
2024年5月20日 大企業の賃上げ率5.58%、33年ぶり高水準 今春闘、経団連集計
経団連は20日、大企業の春闘の回答・妥結状況(1次集計)を発表した。定期昇給と、賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率は5.58%。昨年の3.99%(最終集計)を大きく上回り、バブル崩壊直後だった1991年の5.60%(同)以来、33年ぶりの高水準となった。原則として従業員500人以上の大手企業を対象に、この日までに報告があった16業種89社分を集計した。賃上げ率が5%を超えたのも91年以来だ。経団連は「今夏にまとめる最終集計でも5%台の水準になることはほぼ確実」とみている。月例賃金の平均引き上げ額は1万9,480円で、比較可能な76年以降で最高となった。
2024年5月16日 春闘の賃上げ「大きな一歩」 実質賃金プラスが課題 連合が中間総括
労働組合の中央組織・連合は16日、今年の春闘の中間的な総括を発表した。33年ぶりの高水準となった賃上げ率を「経済社会のステージ転換に向けた大きな一歩」と評価する一方、過去最長のマイナスとなっている実質賃金のプラス転換に向けて「賃上げの流れを中期的に継続していくことが不可欠」とした。春闘の第5回集計では、定期昇給を含む正社員の賃上げ率は平均5.17%で、最終集計と比較すると1991年(5.66%)以来の高水準になっている。中間総括では要因として、物価高が続く中での賃上げへの期待や、人手不足の加速を受けて企業間で人材定着を意識した競争が強まった点などを挙げた。
2024年5月10日 経団連と連合、働き方の規制めぐり溝 厚労省研究会で意見表明
働き方の多様化に対応するため、労働基準法などの改正を視野に入れた厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」で10日、経団連と労働組合の中央組織・連合の担当者が出席して意見を述べた。規制緩和をめぐる多くの論点で、賛成の経団連と反対の連合で、考えの違いが浮き彫りになった。主張が特に対立したのが労働時間規制だ。経団連は、テレワークの普及などを受け、裁量労働制のほか、年収が高い専門職を規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の拡大を主張。これに対し連合は、裁量労働の拡大に反対し、高プロは廃止を含めた見直しを求めた。
2024年5月8日 中小組合の賃上げは平均4.66%、全体では5.17%と高水準/連合第5回回答集計
連合は8日、2024春季生活闘争 第5回回答集計結果を公表した。平均賃金方式で回答を引き出した3,733組合の加重平均は5.17%・1万5,616円(昨年同時期比1.50ポイント・4,693円増)で、第4回回答集計の5.20%増とほぼ同水準を維持した。このうち、組合員300人未満の中小組合2,480組合の加重平均は4.66%・1万1,889円(同1.31ポイント・3,561円増)。全体も中小組合も、比較可能な2013年以降で最も高い水準。中小の奮闘で定昇除く賃上げ分3%超えが続く、としている。
2024年5月1日 全労連系がメーデー大会 「賃上げで生活改善を」
全労連系の第95回中央メーデーが1日、東京の代々木公園で開かれた。小雨がぱらつく中、労働組合員ら約1万2千人が式典に参加。長引く物価高騰で実質賃金の低下が続き、貧困が広がっているとして、大幅な賃上げによる国民の生活改善を訴えた。小畑雅子全労連議長は「全ての労働者の賃上げを求め、ストライキも構えて闘い続ける仲間に敬意を表する」とあいさつ。能登半島地震の被災地復興に万全の支援を続けるよう政府に求めた。
2024年4月27日 春闘は歴史的な高水準も…組織率は過去最低 連合がメーデー大会
5月1日のメーデーを前に、労働組合の中央組織・連合が27日、東京・代々木公園でメーデー中央大会を開いた。今年の春闘の賃上げ率は歴史的な高水準となる一方、労組の組織率は過去最低に沈んでおり、様々な対応を迫られている。連合の芳野友子会長はこの日、「30年間の停滞を一掃するように、大企業から中小企業にわたって高い賃上げが実現している。中小・小規模事業所の交渉はこの先も続く。ぜひとも賃上げの流れが持続されることを期待する」と訴えた。
 連合が18日にまとめた今春闘の第4回集計によると、定期昇給を含む平均賃上げ率は5.20%で、過去の最終集計と比較すると33年ぶりの高水準となっている。大会には、傘下労組の組合員ら約2万8800人(連合発表)が参加した。岸田文雄首相が2年連続で出席。連合が連携する立憲民主党の泉健太代表と国民民主党の玉木雄一郎代表も初めてあいさつした。連合が支援する野党の代表のあいさつは2017年以来7年ぶり。
2024年4月26日 賃金増加幅が物価上昇幅より「大きい」は6.6%/連合総研調査
連合総研は4月26日、第47回「勤労者短観調査」(勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート調査)の首都圏・関西圏版分析結果を発表した。1年前と比較した賃金収入の変動幅と物価上昇幅の差について、賃金の増加幅が物価上昇より「大きい」と回答した割合は6.6%(前回2023年10月調査は6.9%)「小さい」は60.0%(同58.7%)。就業形態別では、賃金の増加幅が物価上昇より「大きい」と回答した正社員は7.3%、非正社員は5.0%。また、1年前と比べた賃金収入の増減D.I.(増えた−減った)は、正社員8.6、非正社員0.7で、いずれも7期連続上昇。なお、今回調査では、職場の人手不足感、業務繁忙によるストレス等のトピックスの調査結果も掲載している。
2024年4月24日 労基法「40年に1度」の大改正? 働き方が多様化、進む見直し議論
時間外労働の上限規制が導入された働き方改革関連法の施行から、4月で5年が経った。厚生労働省では、働き方の多様化に対応するため、労働基準法などのより抜本的な見直しも視野に入れた議論が進んでいる。「40年に1度」(同省幹部)とも言われる大改正につながるのか、関心が高まっている。研究会は、経済学者や産業医ら計10人のメンバーで今年1月にスタートした。検討事項の議論は一巡し、この日が6回目となった。働き方改革関連法に盛り込まれた施行5年後の見直しを検討する役割を担い、労働時間規制などを改めて議論。さらに、フリーランスら多様化する働き手の健康管理のあり方や、労働条件を決める労使のルール作りなどを幅広く話し合っている。厚労省が見据えるのは、「時代にそぐわなくなってきている」(幹部)労働法制の見直しだ。
2024年4月18日 企業のベア平均3.57% 連合賃上げ4次集計、中小も3%超
連合は18日、2024年春季労使交渉(春闘)における回答の第4回集計結果を発表した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給を明確に区別できる2,587組合で、ベアの平均上げ率は23年同時期から1.46ポイント高い3.57%だった。うち組合員数300人未満の中小組合では3.3%となった。16日午前10時までの回答を集計した。ベアの上げ率は足元の物価上昇を上回るペースとなっている。記者会見した連合の芳野友子会長は「(賃上げに向けた)ステージ転換に向けた大きな一歩だ。組合が無い職場にも波及するよう取り組む」と述べた。物価を考慮した1人あたりの実質賃金は前年同月比でマイナスが続く。
2024年4月18日 春闘賃上げ率、5%台を維持 連合第4回集計
労働組合の中央組織・連合は18日、今年の春闘の第4回集計結果を発表した。定期昇給を含む正社員の賃上げ率は平均5.20%で、今月4日に公表した第3回集計の5.24%に続いて5%台を維持した。過去の最終集計と比較すると、1991年(5.66%)以来、33年ぶりの高水準が続いている。16日午前10時までに回答のあった傘下の3,283組合分をまとめた(第3回集計は2,620組合分)。5.20%は前年同期(3.69%)より1.51ポイント増。
2024年4月16日 最低賃金の引き上げ、連合が厚労省に要請 「春闘の流れ切らさない」
労働組合の中央組織・連合は16日、雇い主が働き手に払うべき最低賃金(時給)の引き上げを求める要請書を厚生労働省に提出した。夏に本格化する議論に向け、物価高に対応した高水準の引き上げを求めた。要請書では、日本の最低賃金は他の主要国に比べて低い点などを挙げ、「中期的に大幅な水準引き上げ」を要望。地域間の格差縮小も求めた。最低賃金の引き上げ幅をめぐる議論では、春闘の賃上げ結果も参考にされる。連合が今月4日に公表した春闘の第3回集計では、定期昇給を含む正社員の賃上げ率は平均5.24%と、過去の最終集計と比較すると33年ぶりの高水準になっている。
2024年4月4日 春闘の賃上げ率5%台続く 連合が第3回集計を公表 「中小が健闘」
労働組合の中央組織・連合は4日、今年の春闘の第3回集計結果を公表した。定期昇給を含む正社員の賃上げ率は平均5.24%となり、前年同期を1.54ポイント上回った。先月公表した第2回集計の5.25%に続いて5%台を確保し、過去の最終集計と比較すると、1991年(5.66%)以来、33年ぶりの高水準が続いている。今回は2日午前10時までに回答があった傘下の2620組合分をまとめた(第2回集計は1446組合分)。基本給を底上げするベースアップは、明確にわかる2159組合分の平均で3.63%となり、第2回より0.01ポイント下がった。組合員300人未満の1600組合の賃上げ率は4.69%で、第2回の4.50%から伸びた。一方、300人以上の1020組合は5.28%で、第2回と同じだった。
2024年4月2日 中小企業の賃上げ幅、大手との差2倍以上に拡大 コスト転嫁が進まず
今年の春闘で、中小企業に対する賃上げ回答が本格化している。主要製造業の産業別組織でつくる金属労協が2日発表した中小労組が獲得した賃上げは平均で月8千円を超え、比較可能な2014年以降で最も高い。ただ、上げ幅では大手との差は広がっており、持続的な賃上げには課題が残る。金属労協の集計では、組合員300人未満の中小労組で、賃上げを獲得した598組合の平均額は月8,019円だった。一方、1千人以上の大手労組の190組合は1万2,389円で、中小との差は4,370円。大手と中小の差は、前年同時期(1,818円)の2倍以上に広がった。
2024年3月28日 三菱UFJ銀行、8.5%超の賃上げ 34年ぶりの水準
三菱UFJ銀行は28日、行員の給与を9月分から8.5%超の賃上げをすることで、労働組合と妥結したと発表した。労組の要求を超えた回答。合併前の1990年以来、34年ぶりの水準になるという。基本給を底上げするベースアップを1万円以上実施する。また、新たな中期経営計画策定に伴う特別一時金として、最大15万円支給する。特に若年層の賃上げを手厚くし、大学新卒の初任給は前年比24.4%増の25万5千円になるという。三井住友銀行とみずほ銀行もすでに約7%の賃上げを実施するとしており、3メガいずれも高水準の賃上げ率となった。
2024年3月22日 春闘の賃上げ率5%台続く 連合が第2回集計を公表、33年ぶり水準
労働組合の中央組織・連合が22日まとめた今年の春闘の第2回集計結果で、定期昇給(定昇)を含む正社員の賃上げ率は平均5.25%だった。初回集計の5.28%に続き5%台を確保し、過去の最終集計と比較すると、1991年(5.66%)以来となる33年ぶりの水準が続いている。21日午後5時までに回答のあった傘下の組合分をまとめた。基本給を底上げするベースアップ(ベア)については、明確にわかる組合の平均分で3.64%となり、連合が目標として掲げるベア3%以上を初回に続いて上回った。
2024年3月14日 ヤマ場の回答引き出し状況に対するコメント/連合
連合は14日、先行組合の回答引き出しのヤマ場とする12日から14日の回答状況を踏まえ、芳野会長・中央闘争委員のコメントを発表した。多くの組合が2014年以降、最高となる賃上げを獲得したことについて、物価高の家計への影響人手不足による現場の負担増などを踏まえ、産業・企業、日本経済の成長につながる「人への投資」について、中長期的視点を持って交渉した結果とし、先行組合が引き出した回答を中小組合、組合のない職場へと、高い水準での相場波及に総力をあげる、としている。
2024年3月13日 「2024年春季労使交渉」についてコメント/経団連・日商・経済同友会
経団連と日本商工会議所、経済同友会は、2024年春季労使交渉・集中回答日の13日、会長名、会頭名、代表幹事名でそれぞれコメントを発表した。経団連は、「製造業中心に多くの大手企業で昨年を大きく上回る水準の回答が出たことは嬉しく、安堵感を覚える。他の大手企業や中小企業に賃金引上げのモメンタムの波及を期待する、とりわけ中小企業の賃上げには適切な価格転嫁の実行が重要との認識が必要」とした。日本商工会議所は、「大手各社の大幅賃上げ回答を歓迎。経済の好循環と底上げの実現へ、地方を含む中小・小規模事業者に賃上げの動きが広がることを強く期待。原資確保に、社会全体で労務費を含む価格転嫁を進めなければならない」とした。経済同友会は、「多くの企業が昨年よりも高い水準での賃上げ回答したことは歓迎する。継続的な賃金上昇実現には労務費を含む価格転嫁が不可欠で、政府に対し状況調査と対策を期待する」とした。
2024年3月13日 「裾野の広い賃上げ実現が大切」/政労使の意見交換会
政府は13日、2024年春季労使交渉の集中回答日にあたり「政労使の意見交換会」を開催した。首相は意見交換を踏まえ、「昨年を上回る力強い賃上げの流れができていて心強い」「中小・小規模企業における十分な賃上げによって裾野の広い賃上げが実現していくことが大切」と述べ、政府は、賃上げの流れを継続できるよう「下請法違反行為は、厳正に対処し、労務費指針の周知・徹底状況の把握に向け特別調査を実施」「昨11月策定の労務費指針の下、特に対応が必要とされた22業種について、自主行動計画の実施状況を把握」など手を尽くすとした。また、今年の最低賃金引き上げ額について、春季労使交渉の回答額も踏まえた最低賃金審議会での議論を求めた。
2024年3月15日 春闘の賃上げ5.28% 連合初回集計、最終で5%超なら33年ぶり
労働組合の中央組織・連合は15日、今年の春闘で定期昇給を含めた正社員の賃上げ率は平均5.28%だったとする初回集計結果を発表した。15日午前10時までの回答分を集計した。物価高や人手不足に加え、物価が下がり続けるデフレからの脱却に向けて労使がともに賃上げを唱えるなかで、前年同時期の3.80%から大幅に伸びた。物価高への対応に重要なベースアップ(ベア)分は3.70%だった。7月に予定する最終集計でも5%を超えれば、1991年以来33年ぶりとなる。
2024年3月15日 日本郵政グループ、ベア月5,100円で春闘妥結 民営化後で最大
日本郵政グループは14日に妥結した春闘で、ベースアップ(ベア)は正社員の月給の1.7%にあたる月5,100円にすると決めた。郵政民営化後で最大だった前年の4,800円を上回った。特別一時金を支給し、定期昇給も含めると4.0%の賃金改善になる。一時金はゆうちょ銀行が4.4カ月分、日本郵政と日本郵便、かんぽ生命の3社は4.3カ月分とした。日本郵政グループ労働組合(組合員約22万人)は国内最大の単一労組。正社員の月給は平均1万円のベア、一時金は4.5カ月分を要求していた。
2024年3月14日 パート時給の賃上げ率6.45%、正社員を上回る UAゼンセン集計
流通や繊維などの労働組合でつくる産業別組織、UAゼンセンは14日午前10時までに妥結した、正社員127組合分(約26万人)、パート従業員104組合分(約53万人)を集計、平均賃上げ率(1次集計)を発表した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)や定期昇給を含めて、パート従業員の賃上げ率(時給)は6.45%だった。人手不足などを背景に、正社員の月給の賃上げ率(5.91%)を上回った。いずれの賃上げ率も2012年の結成以来で過去最高だ。正社員については、賃上げ率は前年同時期と比べて1.35ポイント上がった。127組合のうち55組合が満額回答、13組合が労組の要求を上回る「満額超え」の回答を得た。賃上げ率のうち物価高への対応で重要なベア分は、明確にわかる95組合で4.05%だった。
2024年3月14日 東電、全社員年収4%増 満額回答、福島第一原発事故前の水準に戻る
東京電力ホールディングスは14日、来年度から4%賃上げすると発表した。賃上げは2年連続で、労働組合の要求に満額回答した。2011年の福島第一原発事故後に年収を一般社員で20%、管理職で30%それぞれ下げていたが、事故前の水準に戻る。組合員平均で月約2万円上がる。対象は小売りや送配電などの主要子会社も合わせた5社の社員が対象で、パートも含む。前年の引き上げ幅は3%で、7年ぶりの賃上げだった。今回の賃上げについて、広報担当者は「電気事業を継続していくために必要な人材を維持、確保するため」と説明している。
2024年3月13日 「非正規春闘」15社でスト実施を発表 月末にかけ「500人参加」
パートやアルバイトなどの非正規労働者が個人で加入する労働組合(ユニオン)が連携し、「非正規春闘」を掲げて企業側に賃上げを求めている。同春闘の実行委員会が13日、小売業などの15社でストライキを実施すると発表した。月末にかけて約500人が参加する予定という。ユニオンが連携して「非正規春闘」を掲げたのは昨年が初めて。昨年は、交渉した36社のどこも賃上げに応じなかったため、10社50人がストを実施。最終的に16社で賃上げを勝ち取った。勤務時間の一部の労働を拒否する「時限スト」も有効だったという。
2024年3月13日 春闘「最高水準回答」続々 実質賃金マイナス続き、中小波及なるか 大手の集中回答日
今年の春闘は13日、大手企業の集中回答日を迎えた。労働組合側からは昨年を上回る高い賃上げ要求が出されたのに対し、経営側からは満額回答が相次ぎ、一部は労組の要求を上回った。日本製鉄が基本給を底上げするベースアップ(ベア)相当分として回答した月3万5千円は労組が要求していた月3万円を大幅に上回り、新日本製鉄時代の1974年の過去最高額(2万3千円)を上回った。今後は賃上げが雇用の約7割を支える中小企業などに広がり、経済の好循環につながるかが焦点となる。
2024年3月13日 トヨタ、春闘賃上げ満額回答 車や電機も高水準、集中回答日
トヨタ自動車は13日、2024年春闘で労働組合の要求に満額で回答した。1999年以降で最高水準。日産自動車も足並みをそろえ、電機や鉄鋼など主要製造業が春闘集中回答日のこの日、相次いで満額回答。過去最高水準の賃上げの動きが広がった。歴史的な物価高が続く中、大手企業が賃金を引き上げる好循環を形成し、中小企業に波及するかどうかが鍵となる。日本製鉄は、労組が要求した基本給を底上げするベースアップ(ベア)相当分の月額3万円を上回る3万5千円で回答。JFEスチールと神戸製鋼所は月額3万円の要求通りで応じた。電機は三菱電機とNEC、富士通が、重工では三菱重工業と川崎重工業、IHIが満額でそろった。ホンダは既に過去最高水準で回答。マツダも続いている。製造業以外では、日本航空が33年ぶりの高水準で応じると表明。大手は好業績を背景に、待遇改善で優秀な人材獲得にも布石を打つ。
2024年3月1日 教職員団体への加入率は27.7%、48年連続の低下/文科省調査
文部科学省は1日、2023年度「教職員団体への加入状況に関する調査」結果を公表した。同調査は、大学及び高等専門学校を除く公立学校に勤務する全ての常勤教職員(再任用を含む)を対象としたもの。教職員団体全体の加入率は27.7%(前年度比1.5ポイント減)で、1976年以降48年連続の低下。日本教職員組合への加入率は19.2%(同0.9ポイント減)で、1977年以降47年連続の低下。
2024年3月1日 22組合で早期・高水準の満額妥結が相次ぐ/UAゼンセン
繊維、流通、サービス産業等の組合で作られるUAゼンセンは1日、2024年2月末時点で、イオンリテールワーカーズユニオンをはじめ、22組合で早期・高水準の満額妥結が相次いでいると発表した。正社員、短時間社員とも6〜7%台での満額獲得が相次ぎ、先行相場の形成に大きく寄与しており、加盟組合は力強い労使交渉を継続するとしている。
2024年2月29日 9割の介護施設で2交替制の夜勤を実施/日本医労連「2023年介護施設夜勤実態調査」
介護施設の89.3%で、16時間程度の長時間勤務になることが多い「2交替制夜勤」を実施している――日本医労連(約14万4,000人)の「2023年介護施設夜勤実態調査」では、介護施設で夜勤に従事する職員の過酷な労働実態が明らかになった。集計データからは、多くの施設で1人体制(ワンオペ)での夜勤が実施されており、月の夜勤回数やシフト数も依然として多く、深刻な状況であることがうかがえた。医労連は介護報酬の大幅引き上げや増員、夜勤改善を求めている。調査は、日本医労連傘下の労働組合がある介護施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、小規模多機能型居宅介護施設・看護小規模多機能型居宅介護施設、単独型短期入所施設、介護医療院)を対象に、昨年6月の実績を尋ねたもの。
2024年2月29日 賃上げ要求額の平均が1万円を超え、2014年以降で最高水準に/金属労協の2024闘争要求状況
自動車総連、電機連合、JAM、基幹労連、全電線の5つの産業別労組でつくる金属労協(JCM)は2月29日、2024闘争の要求状況を発表した。ベースアップ等の賃上げ(賃金改善分)を要求している組合の要求額の平均は、金属労協全体では1万2,392円で、集中回答日に回答を引き出す大手の集計対象組合だけでみると1万5,115円。それぞれベア・賃金改善が復活した2014年闘争以降で最高水準となっている。
2024年2月27日 持続的な構造的賃上げの実現について議論/新しい資本主義実現会議
政府は2月27日、「新しい資本主義実現会議」を開催し、物価上昇を上回る持続的な構造的賃上げの実現について議論した。物価上昇を上回る賃上げが消費を後押しし、新たな投資を呼び込む「好循環を来年以降も続けていくためには、春季労使交渉の議論に加え、労働生産性などの向上を通じた付加価値の拡大が不可欠」、「労働市場改革を進め、能力ある若手や労働意欲のあるシニア層に、労働機会を提供できるようにするとともに、非ホワイトカラーについても、ノウハウのある労働者が高い賃金を得られる構造を作り上げる」とした。企業側に、「人手不足の中で仕事をしたいシニア層に機会提供のため、役職定年・定年制の見直しなどを検討いただきたい」とした。
2024年2月27日 賃上げ求め全医労スト計画
国立病院機構の医師や看護師ら職員でつくる「全日本国立医療労働組合」(全医労、約1万8千人)は26日、3月1日にストライキを計画していると発表した。賃上げなど処遇改善を求めて機構側と交渉しており、交渉が決裂すれば特定の組合員を指定する「指名ストライキ」を行う。
2024年2月26日 2024年春季交渉、賃上げ総額6.22%/すかいらーく
すかいらーくホールディングスは2月26日、2024年春季交渉の初回に満額回答で合意したと発表した。4月から基本給を一律で引き上げるベースアップ5%(1万7,400円)と定期昇給を合わせて平均約6.22%(2万1,333円)の賃上げ。また、今春入社の正社員の初任給は1万7,400円増の、24万5,800円とする。対象者は、すかいらーくホールディングス、すかいらーくレストランツ正社員の約4,200名。賃上げ理由は、物価高騰の中での従業員の生活水準の向上、賃上げによる経済の好循環、人的資本投資の積極化、としている。
2024年2月22日 ホンダ・マツダ、満額回答 高水準ベア、早期決着 春闘
ホンダとマツダ、ヤマハ発動機は21日、今春闘で労働組合が提出していた賃上げと一時金(ボーナス)の要求に満額回答したと発表した。3月中旬の集中回答日を待たず、交渉の序盤でスピード決着させた。高水準の賃上げが、グループ企業など取引先に波及することも期待しているという。
2024年2月21日 イオンリテール、パート賃上げ 2年連続7%以上で妥結、7万人対象
繊維や流通、外食などの労働組合でつくる産業別組織の「UAゼンセン」は21日、流通大手イオンの中核子会社で、総合スーパーを運営するイオンリテールが、パート従業員の時給を7.02%(実額76円66銭)引き上げることで妥結した、と発表した。引き上げの対象は約7万人。前年実績の7.00%(同71円90銭)を超え、2年連続で7%以上の賃上げとなった。労組の要求に沿った満額の回答となり、前年より1週間ほど早い決着だ。正社員についても、定期昇給を含む賃上げ総額が平均6.39%(同1万9,751円)で妥結した。前年実績の平均5.03%(同1万5,061円)を上回った。基本給を底上げするベースアップは3.24%(同1万円)だった。
2024年2月15日 電機、ベア月1.3万円を要求
大手電機メーカーの労働組合が15日、今年の春闘の要求書を会社側に提出した。各労組は基本給を底上げするベースアップ(ベア)相当分として、前年(7千円)の2倍近い月1万3千円を求めた。現在の要求方式となった1998年以降で最も高い水準になるという。要求金額は、産業別組織の電機連合の目標に沿ったもの。
2024年2月15日 ベア月2万円、三井金属合意 労組要求上回る
非鉄大手の三井金属は14日、賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)を月2万円で労働組合と合意した、と発表した。労組が要求していた1万5千円を上回り、バブル後の最高額だという。4月から実施し、定期昇給を含めた平均賃上げ率は7.7%となる。今回の合意は、管理職をのぞく一般社員が対象。
2024年2月14日 春闘で相次ぐ強気な要求、10%賃上げも 「デフレ脱却へ重要局面」
春闘の労使交渉が本格化している。鉄鋼や自動車大手の労働組合は、大幅な賃上げを実現した昨年を上回る強気の要求を相次いで提出、継続的な賃上げによるデフレからの脱却を訴えた。「30年間上がらなかった賃金を動かす大きな年になる」自動車関連の労組でつくる自動車総連の金子晃浩会長は14日の会見でこう述べた。春闘を通じて強い需要が引っ張る日本経済への転換を説き、「そのためには賃上げが必要だ。納得できる回答を」と訴えた。今春闘では大企業の労組から強気の要求が相次いでいる。
2024年2月9日 鉄鋼・重工大手の労組が今春闘でベア要求 約50年ぶり高水準も
今年の春闘の先陣を切って、鉄鋼と重工大手の労働組合が9日、経営側に要求書を提出した。歴史的な物価高を受け、労組側からは高水準の要求が相次いだ。東京・丸の内の日本製鉄本社では、日本製鉄労働組合連合会が賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)相当額で月3万円を要求した。平均賃金の約10%にあたる水準で、金額では過去最高だった新日本製鉄時代の1975年の要求額(3万2千円)以来、約50年ぶりの高さとなった。
2024年2月8日 「非正規春闘」掲げて賃上げ求める 「物価高苦しく、1日1食」訴え
パートやアルバイトなど非正規労働者が個人で加入する労働組合(ユニオン)の20団体が連携して企業側に賃上げを求める取り組みが8日、始まった。「非正規春闘」を掲げており、物価高が続く中、生活が圧迫されているとして、今年は350人が38社に賃上げを要求していくという。ユニオンが連携したこの取り組みは、昨年から始まった。今年は賃上げの要求を「10%以上」とし、昨年の「一律10%」から表現を強めたという。
2024年2月8日 日本製鉄の米同業買収に暗雲 バイデン・トランプ両氏とも反対姿勢
日本製鉄が発表した米鉄鋼大手USスチールの買収に逆風が吹いている。米国での雇用や安全保障に悪影響が出かねないとして、労働組合などが反発。秋の大統領選での支持拡大に向けて、バイデン大統領とトランプ前大統領も買収に反対する姿勢をみせている。「我々の背を押すという『個人的な保証』をバイデン大統領から得た」買収に反対してきた全米鉄鋼労働組合(USW)のデビッド・マッコール会長は2日に出した声明でそう言及した。米当局は、買収で基幹産業の鉄鋼を他国に握られて安全保障上の問題が生じないかを審査する方向だ。
2024年2月7日 24年度のみ要求することにし、賃金改善の要求基準は1万2,000円以上/基幹労連中央委員会
鉄鋼、造船重機、非鉄などの業界の労働組合でつくる基幹労連(約27万1000人)は7日、都内で中央委員会を開催し、AP24春季取り組み方針を決定した。本来は2024年度からの2年分の賃上げ要求基準を示す年にあたるが、国内外の情勢の先行きを見通すことが困難として、賃金改善について2024年度のみの要求とするとした。要求額は1万2,000円以上と掲げた。
2024年2月1日 定昇相当分2.0%プラスベア分1万4,600円を要求/私鉄総連が春闘方針決定
私鉄やバスなどの労働組合が加盟する私鉄総連(約11万3,000人)は2月1日、都内で第3回拡大中央委員会を開き、2024年の春闘方針を決定した。賃上げの統一要求として、月額基本給2.0%(定期昇給相当分)プラス1万4,600円(ベースアップ分)の引き上げを求める。
2024年2月1日 春闘に向けて労使トップが会談 「賃上げめざす」労組の要求本格化へ
労働組合の中央組織・連合と経団連の労使トップ会談が1日午前、東京都内で開かれた。今年の春闘は、物価が下がり続けるデフレ脱却に向けて、労使がともに賃上げを唱える異例の展開となっており、この日の会談でも両者から賃上げに積極的な発言が相次いだ。経団連の十倉雅和会長は会談冒頭、「今年は昨年以上に熱意と決意を持って、物価上昇に負けない賃金引き上げをめざす」と意欲を示した。一方、連合の芳野友子会長は「経済社会へのステージ転換を図るカギは、大企業から中小・小規模事業者まで全ての段階で労働者が賃上げの効果を実感することだ」と述べた。
2024年1月31日 持続的な賃上げ実現に向けた適正な配分・交渉の積み上げを強調/自治労中央委員会
地方自治体の職員などを組織する自治労(約71万7,000人)は1月29、30の両日、都内で中央委員会を開き、「2024春闘方針」を決めた。方針は、春闘を「1年のたたかいのスタート」との位置づけのもと、2024春闘の重点課題として、(1)賃金改善、(2)働きやすい職場の実現に向けたワークルールの徹底――を提示している。石上委員長は今春闘を「物価高騰が続くなかでそれを上回る持続的な賃上げを実現できるかが極めて重要」として、適正な配分の要求や労使交渉の積み上げなどに一丸となって取り組んでいくことを強調した。
2024年1月29日 トヨタ労組、今春闘でもベア要求 引き上げ額「過去最高水準」求める
トヨタ自動車労働組合は29日、春闘の要求の執行部案を公表した。昨年に続き、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を求める。平均賃金の引き上げ額は明らかにしないが、比較可能な1999年以降では、過去最高の水準という。年間一時金(ボーナス)については、過去最高となる、基準内賃金の7.6カ月分を要求する。正社員の賃金については、職種や階級別に要求額を示しており、いずれも昨年を大幅に上回る額を求める。
2024年1月24日 ベア相当額「1万3,500円」 ホンダ労組要求案、一時金は過去最高
ホンダの労働組合「本田技研労働組合」(約3万5千人)は24日、2024年春闘で要求するベースアップ(ベア)相当額を「月1万3,500円」とする執行部案を決めた。物価の上昇を反映させ、約30年ぶりの高水準だった昨年(1万2,500円)をさらに上回る額を示した。定期昇給などを含めた合計の賃上げ額の平均は2万円で、5%を上回る賃上げになるという。バブル期並みの水準といい、一時金は過去最高の7.1カ月分(昨年は6.4カ月分)とした。2月13日に正式決定する。
2024年1月24日 連合・経団連どちらも「賃上げを」 物価上昇を上回るか 春闘幕開け
経済界と労働組合の代表が賃上げなどについて話す経団連主催の「労使フォーラム」が24日、東京都内で開かれた。物価が下がり続けるデフレを脱却して、賃金や物価が安定して上がる社会に向け、労使がともに賃上げを唱える異例の春闘が事実上始まった。労働組合の中央組織・連合の芳野友子会長はこの日、「今春闘は、経済も賃金も物価も、安定的に上昇する経済社会へとステージ転換を確実に進める正念場だ」と強調した。連合は今年の春闘に向けた統一要求の賃上げ目標を「5%以上を目安」と設定。昨年の「5%程度」より表現を強め、傘下の産業別労働組合も要求額を過去最高とする方針が相次ぐ。一方、中国訪問中でビデオメッセージとなった経団連の十倉雅和会長は「物価動向を重視し、ベースアップを念頭に置きながら、できる限りの賃金引き上げの検討、実施を」と呼びかけた。
2024年1月23日 賃金体系維持分を含め6%基準の引き上げを要求する闘争方針を決定/UAゼンセンの中央委員会
化学・繊維などの製造業からスーパーマーケットなどの流通業、また、サービス業に至るまで、幅広い業種をカバーするUAゼンセン(約189万4,000人)は23日、兵庫県神戸市で中央委員会を開催し、2024労働条件闘争方針を決定した。方針は「物価が継続的に上昇する中で、安心して消費を行い、生活を維持していくためには、物価を上回る賃金引き上げが必要最低限の条件」と強調。全体的な要求の考え方として、制度昇給等の賃金体系維持分に加えて4%基準(総合計6%基準)の賃金引き上げに取り組むと掲げた。
2024年1月22日 昨年を上回る賃上げ、労務費転嫁のための価格交渉に関する指針の徹底を要請/「政労使会議」で首相
岸田首相は22日、政労使の意見交換会議に出席した。会議は、2024年春季労使交渉の開始に先立ち、意見交換を行うもの。首相は、「我が国経済は、30年余り続いたコストカット型経済から、所得増と成長の好循環による新たな経済へ移行するチャンスを迎えている」として、「物価動向を重視し、昨年を上回る水準の賃上げ」を求めた。なかでも、中小企業・小規模企業における賃上げが不可欠とし、「労務費の価格転嫁を通じ、賃上げ原資の確保」のため、経済団体に対して、労務費転嫁のための価格交渉に関する行動指針の徹底と取り組み状況のフォローアップなどを要請した。
2024年1月19日 「月額3万円以上、時給190円以上、10%以上」の引き上げを目指す/国民春闘共闘の春闘方針
全労連や中立労組などでつくる国民春闘共闘委員会は19日、都内で第1回単産・地方代表者会議をオンラインとの併用で開き、2024年の国民春闘方針を確認した。賃上げ要求基準として、前年同様、「月額3万円以上、時給190円以上、10%以上」の引き上げを目指すほか、企業内最低賃金「時給1,500円以上、月22万5,000円以上」などを掲げている。ストライキを背景に交渉力を強める取り組みを全体に広げて、大幅賃上げ・底上げを実現したい考えだ。
2024年1月19日 ベアなどの要求基準を1万2,000円とする2024年春季生活闘争方針を決定/JAMの中央委員会
機械・金属関連の中小労組を多く抱える産別労組のJAM(約36万7,000人)は19日、都内で中央委員会を開催し、2024年春生活闘争方針を決定した。ベアや賃金改善分だけでみた賃上げ要求基準を昨年方針の9,000円から3,000円上積みし、1万2,000円に設定した。安河内会長は、道半ばにある価格転嫁や人手不足などを理由に、「中小企業こそ大幅な賃上げが必要だ」と強調した。
2024年1月16日 物価上昇への対応として、7割が「ベースアップ」実施/経団連調査
経団連は16日、「2023年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」を公表した。「労使交渉・協議等における議論と結果」において、2023年の賃金改定で、特に考慮した要素(2つを選択)は、「物価の動向」(54.0%)、「人材確保・定着率の向上」(49.7%)、「企業業績」(34.5%)など。直近1年間程度における物価上昇の対応として実施したもの(該当を全て選択)は、「ベースアップ」(70.9%)、「賞与・一時金(ボーナス)への加算」(18.6%)で、「一時金(ボーナス以外)の支給」と「対応していない」はどちらも15.3%。「諸手当」では、配偶者手当の見直しについて「議論した」が78.6%、議論の結果では「手当の廃止(段階的廃止を含む)」が63.2%に上った。このほか、採用方法の多様化、男性の育児休業取得率等の両立支援、高齢者雇用など幅広いテーマに関する調査結果をまとめている。
2024年1月16日 「労使協創協議制」など労使自治を軸とした労働法制に関する提言を発表/経団連
経団連は16日、「労使自治を軸とした労働法制に関する提言」を発表した。人口減少、DXの進展や、労働者の価値観や働き方が多様化するなかで、日本の産業競争力維持のために、労使双方がよりよい働き方を探る必要があるとしたうえで、現行の労働基準法は画一的規制のために多様な働き方の実現を難しくしている、労働法全般が詳細・複雑化し、労使の当事者の理解・活用の妨げとなっていると指摘し、労使自治を軸とした労働法制を検討すべきとしている。具体的見直し事項として、(1)(過半数労組がある場合)労働時間規制のデロゲーション(規制の例外を認めること)の範囲拡大、(2)(過半数労組が無い場合)労使コミュニケーション充実に向け「労使協創協議制」(選択制)の創設、(3)就業規則作成時における意見聴取等の単位の見直し(事業場単位から企業単位へ)を挙げている。
2024年1月12日 民間主要企業の年末一時金、2年連続の80万円台/厚労省調査
厚生労働省は12日、2023年の「民間主要企業年末一時金妥結状況」(加重平均)を公表した。平均妥結額は84万9,545円、前年比6,567円(0.78%)増で、2年連続の80万円台。平均要求額は88万2,117円で、同1万862円(1.25%)の増。集計対象は、妥結額などを把握できた、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業331社。
2024年1月11日 定昇相当分含め6%の賃上げに取り組む/JEC連合闘争方針
化学・エネルギー関連産業の労組でつくるJEC連合(約12万5,000人)は11日、都内で中央委員会を開き、2024春季生活闘争方針を決めた。闘争方針は、24春闘で昨年を上回る賃上げに取り組む必要性を明記したうえで、定期昇給相当分(JEC連合では約2%)の確保を大前提に、平均所定内賃金4%のベア要求を示した。堀谷会長は、中小の賃金引き上げに向けて「大手労組が先行組合として世間相場を形成すること」と「原資が捻出できるよう取引先に対して適正な価格を支払うこと、あるいは値上げ交渉に真摯に向き合うことを要求書に書き込む」取り組みの必要性を強調した。
2024年1月11日 鉄鋼労組、半世紀ぶり高水準の賃上げ要求へ 月3万円、今年の春闘で
鉄鋼や造船などの労働組合でつくる基幹労連は11日、今年の春闘で鉄鋼部門は賃金体系を底上げするベースアップなどの賃金改善に月3万円を求めることで最終調整していることを明らかにした。鉄鋼部門の要求は2年ぶり。要求額は物価高への対応から第1次石油危機のあった1975年以来、約半世紀ぶりの高い水準となる。鉄鋼業界の労働組合は2年に1度、2年分の賃金改善を要求する方式を長年とってきた。物価高に対応するため今年は単年度分のみを要求する。2022年の春闘で23年分についても月2千円の賃金改善で妥結済みだったため、物価上昇局面でも要求せず、造船などの他産業と比べて大きな開きが生じていた。
2024年1月11日 自動車総連、ベア統一要求見送り 期待の春闘リード役、悩むかじ取り
自動車業界の労働組合でつくる自動車総連は11日、今年の春闘で基本給を底上げするベースアップ(ベア)の統一要求を6年連続で見送る方針を正式に決めた。かつて春闘全体を引っ張った業界だが、目安の金額を示さなくなってリード役からは遠のいていた。しかし、昨年以降の物価高で賃上げへの関心が高まっており、改めて自動車業界の動きに注目が集まる。自動車業界は長年、春闘相場のリード役を担ってきた。自動車総連は2018年までは「月3千円以上」などとベアの統一要求を掲げてきたが、19年からは統一要求を見送ってきた。
2024年1月9日 電機連合、ベア月1万3千円以上 春闘で要求へ、98年以降で最高
電機メーカーの労働組合でつくる電機連合(組合員約57万人)は今年の春闘で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)の統一要求額を「月額1万3千円以上」とする方向で最終調整していることがわかった。「月額7千円以上」とした前年から大幅に引き上げ、現在の要求方式となった1998年以降で最も高い水準になる。25日に開く中央委員会で正式に決める。物価上昇率が高止まりし、働き手の購買力を示す実質賃金のマイナスが続いていることなどを踏まえた。日立製作所など主要12社の統一要求となる。


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