日動外勤のたたかい
東京海上日動前に怒りの声 高裁では弁論
500人参加で金融3争議共同行動

写真:東京海上日動本社前で待機行動
東京海上日動本社前で待機行動

 金融3争議は、いずれも金融再編などによる雇用破壊攻撃に立ち向かう、日動外勤のたたかい、日産センチュリー証券の副委員長不当解雇に対するたたかい、AIGスター生命の嘱託社員雇い止め・解雇に対するたたかいをともにすすめています。第7回目となった12月17日の行動には、早朝のビラ宣伝から夕方の決起集会までのべ500人が参加しました。
 東京海上日動火災本社前の行動は3時間に亘り行われました。解決要請書を提出に行くと、会社は相変わらず、ガードマンを立てて要請団をブロック。要請団は、要請書を読み上げ、納得できる回答があるまで待機すると伝えました。多くの仲間が本社前で待機行動を開始。まずは、トランペッターの松平さんの演奏で激励しました。その後、全証労協松井議長が主催者のあいさつ、当事者を代表して全損保吉田委員長、金融の仲間からの連帯として金融労連の泉副委員長が、東京海上日動経営を糾弾し、たたかいへの決意を述べました。

写真:AIGスター生命本社前抗議行動
写真:トランペッター松平晃さんも朝から最後まで参加 写真:全証労協松井議長が主催者あいさつ 写真:金融労連泉副委員長が連帯のあいさつ
トランペッター松平晃さんも
朝から最後まで参加

全証労協松井議長が
主催者あいさつ

金融労連泉副委員長が
連帯のあいさつ

AIGスター生命本社前抗議行動



写真:東海日動本社前で待機をする参加者
東海日動本社前で待機をする参加者

多くの
仲間の
激励
写真:春闘共闘代表幹事・全農協労連老田委員長 写真:国公労連河村副委員長
春闘共闘代表幹事
・全農協労連
老田委員長

国公労連
川村副委員長


写真:映演労連高橋委員長 写真:全教新堰副委員長 写真:航空労組竹島事務局次長
映演労連
高橋委員長

全教
新堰副委員長

航空連
竹島事務局次長

写真:民放労連高橋書記次長 写真:東京地評伊藤副議長 写真:東京金融共闘鈴木議長
民放労連
高橋書記次長

東京地評
伊藤副議長

東京金融共闘
鈴木議長


写真:当事者を代表する3名 奥から金子さん(日産センチュリー証券労組)、佐藤さん(全損保日動外勤支部)、高梨さん(金融労連・銀産労) 写真:締めくくりの日動外勤支部佐藤委員長のあいさつ
当事者を代表する3名 奥から
金子さん(日産センチュリー証券労組)
佐藤さん(全損保日動外勤支部)
高梨さん(金融労連・銀産労)

締めくくりの
日動外勤支部
佐藤委員長のあいさつ


 儲けをあげるために雇用に手をかける東京海上日動火災への怒りは広がっており、当日は、金融以外からも多くの仲間が激励に駆けつけました。

 国民春闘共闘代表幹事・全農協労連老田委員長は、「損保『自由化』新局面のもとで、トップカンパニーに横暴が生まれている。こんなことは許されるものではない」と。国公労連川村副委員長は、「公務の民営化が進められているが、このようなことをする民間企業に参入されるのでは大問題だ」と。映演労連高橋委員長は「マッスルミュージカル労組が奮闘して権利を守った。労働者に対する身勝手な態度は許されないし、必ず打ち破れる」と。全教新堰副委員長は「教育基本法で“愛国心が大切”などといわれたが、防衛省の腐敗を通じて、そんなことはうそだということがわかった。そのような国にこのような会社が生まれている」と。航空連竹島事務局次長は「多数派労組が、客室乗務員の個人情報を記録するという問題が起こり、東京地裁に提訴し、たたかっている。この会社も体質は同じだ」と。民放労連高橋書記次長は「“あるある問題”が象徴するように、現場を切り捨て、社会的責任をないがしろにするという同じ問題が民放も起きている。このようなことをなくすよう、ともにがんばりたい」と。東京地評伊藤副議長は「不払い問題というとんでもない問題を起こし、労働者を切り捨てるなど許されない」と。各方面から、東京海上日動経営を糾弾する声が、丸の内にこだましました。
 会社は回答を示さなかったため、待機は夕方まで続きました。日も暮れると、松平さんが最後の演奏。会社から帰る従業員、道行人も立ち止まって演奏に聞き入り、大きな手拍子がはじまりました。演奏が終わると、当事者を代表して、全損保日動外勤支部佐藤委員長が決意表明。大阪地協副議長でもある大阪分会長田さんのシュプレヒコールで本社前の行動を締めくくりました。







写真:報告集会 演壇は全証労協松井議長
報告集会 演壇は全証労協松井議長

 その後は、金融3争議決起集会を開催しました。主催者代表として全証労協松井事務局長から、争議の背景の説明も含めて、たたかいの状況を報告。牛久保弁護士からのあいさつの後、全労連副委員長・全労連全国一般大木さんが激励しました。関連労組、争議団代表の決意表明があったあと、全損保吉田委員長が「まなじりを決したたたかいをしよう」と提起し、日産センチュリー労組笠原委員長の音頭で団結ガンバローを行い、決意新たに集会は終了しました。


写真:報告集会のオープニングを飾る松平さんのトランペット 写真:裁判の報告をする牛久保弁護士 写真:激励する全労連大木副議長 写真:日産センチュリー証券労組金子副委員長 写真:今後に向けた提起をする全損保吉田委員長
報告集会のオープニング
を飾る松平さんの
トランペット

裁判の報告をする
牛久保弁護士


激励する
全労連大木副議長


日産センチュリー証券
労組金子副委員長


今後に向けた提起をする
全損保吉田委員長



高等裁判所に鑑定書と全員の陳述書を提出
写真:東京高裁前宣伝行動
東京高裁前宣伝行動

 当日は午後1時30分より、東京高等裁判所では、第4回弁論が行われました。当方からは、この弁論に先立ち、山口孝明治大学名誉教授と本間照光青山学院大学大学院経済学研究所教授の鑑定意見書を提出しました。このふたつの鑑定書によって、会社の主張するRAチャネル廃止の理由が客観性も合理性もないことが、よりいっそう明らかになりました。



《鑑定書の主なポイント》
@ 管理会計は法的な規制の下で公的性格を有する財務会計と違って、経営政策を検討する私的な会計である。適用する数値も検討目的に沿って検討者の裁量で変えることができるものであり、管理会計に基づく結論を労働者や株主や消費者などステークホルダーに強いることはできず、裁判所はこれを基準にして判断すべきではない。
A 保険の販売は、外勤社員制度と代理店制度がある。いずれも対面販売であり、高度の専門性があり、保険事業の中枢の位置を占める。保険営業の専門性を否定することは保険事業の自己否定になる。
B 外勤社員制度をとるか、代理店制度をとるかは、それぞれの会社が経営政策として採用した経緯によって異なるもの。東京海上日動社が、合併後に外勤社員制度廃止を打ち出したのは、代理店中心の販売への一元化をはかる施策選択の問題にすぎない。
C 現に日動火災では、創業時から外勤社員制度を採用し「募集網の主柱」とし、極めて良好な経営を持続していた。事業費の費差損を巨額に積算し、固定的で不可避とすることは、これまでの経営実態に反し、説明できない。
D 契約者と国民との信頼の回復、保険事業の将来のためにも、外勤社員の利益が擁護されるべきである。たんに、当該原告の利益にとどまるものではない。社会に密着する基本に立ち返ることによってこそ、保険事業の威信とリーディングカンパニーとしての輝きをとりもどし、社会に負託に応えることになる。日本の保険事業の未来にとってもつ意味も大きい。

 鑑定書に合わせて、被控訴人(原審原告)全員の陳述書も提出されました。これにより、制度廃止の不法性と不当性がいっそう明らかになりました。

 日動外勤のたたかいは、206万枚を超えた「手渡し&ポスティングビラ」、金融3争議、裁判闘争と着実に前進しています。身勝手な外勤社員切捨てをやめさせるため、今後も全力でたたかいます。


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