広島地協連絡会
被爆68年損保平和交流集会・損保慰霊祭・慰霊碑めぐり


被爆の実相学び
「核兵器のない世界」の実現に思いを新たに

5支部2地協41名が参加しました
5支部2地協41名が参加しました

 8月5日・6日、全損保は原水爆禁止世界大会に連帯し、広島地協連絡会の仲間を中心に損保平和交流集会など「平和を希求する行動」に積極的にとりくみました。


【8月5日(月)損保平和交流集会】
学び・伝え・行動していくことの大切さを確認しあったひととき



 今年の損保平和交流集会は、仲間との交流に先立ち「68年前の8月6日、広島で何が起こったのか」を「実際に原爆の惨禍にあわれた方の証言」を聞き、学ぶことからはじめようと、広島県原爆被害者団体協議会・常任理事の矢野美耶古(やの みやこ)さんに貴重なお話を聞かせていただきました。
 
 矢野さんは14歳、女学校2年生のときに市内・宇品の自宅(爆心地から約4キロ)で被爆されました。当時、重要施設を爆撃による火災から守るために、市を南北に分断する大きな防火帯を作る計画で「建物疎開」と称して民家を強制的に立ち退かせることに学生も動員されていました。矢野さんの学校も8月5日より「建物疎開」の作業に入っていましたが、原爆が投下された6日、矢野さんは体調不良のため学校を休んでおり、自宅で被爆されました。放射線、熱線と爆風による火傷、急性放射線症など原爆投下後の惨状は筆舌に尽くしがたいものであったといいます。かろうじて建っていたご自宅は救護所となり、何の物資も医薬品もない中、懸命に介護にあたられましたが、多くの方々の死を看取られたそうです。ご自身も重い原爆症に苦しめられました。しかし、何よりも辛かったのは勤労動員で爆心地から500mのあたりで作業をしていた先生と生徒の殆どが亡くなられた事実、そして同級生の親たちに「なぜ真面目に学校に行った人間が死に、あなたが生きているのか」という非難であったといいます。自身が生きていることに罪悪感を感じたと。
 矢野さんは原爆の実相を語り継ぐことは「本当のことを知り・知らせることが大切だから」と話されました。そして福島原発事故を経験してもなお、原発の再稼動、原発輸出に固執する政府を批判「また、国は国民を騙そうとしている」と。最後に参加者に対し「『核と人類は共存できない』『原発は命の問題である』ぜひ、みんなで語り継いでいって欲しい」と期待を寄せられました。

 矢野さんのお話の後、交流の場へと席を移しました。主催者あいさつで全損保佐藤副委員長は「矢野さんの『生きていることに罪悪感がある。死にたい死にたいと思っていた』の言葉を聞いて胸の詰まる思い。全損保はこれまでも核の悲惨さや非人道性を告発する学習を重ねてきたが、何が信用に足る情報なのか自ら精査し、学び、伝え、そして行動に移していくことが今、求められている」と語られました。つづく各支部・地協そして広島地協連絡会のオービーからも率直に事実と思いを語っていただいた矢野さんへの感謝の言葉と異口同音に「学び・伝え・行動する」ことの大切さが自身の決意とともに語られました。
 
 集会の最後に 「被爆68年2013年損保平和交流集会アピール 核廃絶に向け私たちに何ができるのか−考え行動しよう」 を拍手で採択し閉会しました。

矢野さんの話に真剣に耳を傾ける 矢野美耶古さん
矢野さんの話に真剣に耳を傾ける
矢野さんの話に真剣に耳を傾ける

矢野美耶古さん



【8月6日(火)損保従業員原爆犠牲者慰霊祭】
慰霊と鎮魂―核廃絶の決意新たに


 8月6日8時30分、全損保の碑 前に組合員・OB・関係団体代表など約50名が参列、損保従業員89名をはじめ原爆の犠牲となられたすべての御霊に対し黙祷をささげ、平和と核廃絶への誓いを新たにする主催者あいさつが述べられた後、参列者全員がひざまづき碑に手を合わせ、粛々と献花がおこなわれました。

御霊に黙祷を奉げる 献花に平和への思いを託す
御霊に黙祷を奉げる

献花に平和への思いを託す



【8月6日(火)慰霊碑めぐり学習会】
解説する側・される側 ともに理解を深めるとりくみ


 広島地協連絡会の仲間が案内役を務める形での慰霊碑めぐり学習会は、今年で3回目となります。各支部・地協・OB、20名が参加しました。
 8月6日の午前9時、どの慰霊碑の前にも花が手向けられており、慰霊祭が執り行われている碑もあるなど、いつもとは違う緊張した空気の中での学習会となりました。しっかりと時間もあったため例年よりも多くの慰霊碑について学ぶことができました。「全損保の碑」や「峠三吉詩碑」「原爆の子の像」などとともに、前日にお話いただいた矢野さんが通っていらした「広島市立高女原爆慰霊碑」、毎年、献花交流のある損保協会「友愛の碑」や私たち日本国民が戦争被害者であると同時に加害者であることを考えさせられる「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」などをめぐり、爆心地に建つ「島病院」で散会しました。

広島市立高女原爆慰霊碑前 『慰霊碑めぐりガイドブック』
(広島地協連絡会作成)

広島市立高女原爆慰霊碑前





【8月6日(火)原水爆禁止世界大会ヒロシマデー集会】
真実を知り運動の力に


   8月6日13時からの原水禁世界大会ヒロシマデー集会に参加、世界と日本各地での反核・平和のとりくみの報告から学びました。今年の大会にはベトナム戦争の惨禍を描いた「プラトーン」のオリバー・ストーン監督も原爆投下の犯罪性を訴えるべく大会プログラムへ参加、ストーン氏は歴史学者のピーター・カズニック氏とともに大会へ声明を寄せるとともに、自らの取材により明らかになった「原爆投下の真実」の主張を披露、被爆者代表・青年代表との対話も行い「戦争を起こさせないために強くなり、たたかおう」と訴え、会場内から共感と連帯の拍手がわきあがりました。発言を聞いた全損保の仲間は「戦争終結と原爆投下について、はじめて聞くことばかり。本当に勉強になった」と感想を語りました。
 
 11月15日から日本平和大会が山口県岩国市で開催されます。米軍のオスプレイ持込、基地増強などで揺れる岩国の今を肌で感じ、平和について考え・学ぶよい機会です。各支部・地協より積極的に参加していきましょう。






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