日本経済の現状とアベノミクスについて学び
春闘後半戦への意思結集をはかる

4・20春闘決起中央集会に54名が参加



54名の参加で春闘後半戦に向けて意思統一
54名の参加で春闘後半戦に向けて意思統一


 4月20日(水)、東京で、「4・20春闘決起中央集会〜山家悠紀夫さんの講演から賃金水準引き上げの必要性を学ぼう〜」を開催し、11支部1独立分会と友好労組から54名が参加しました。

 本集会は、2016年春闘における全損保統一行動週間のメイン行事に位置づけ、講演では、第2次安倍内閣がすすめる「アベノミクス」がもたらしている問題点を明らかにし、国民・労働者の目から見た今の経済政策を学ぶとともに、消費拡大による景気回復をはたしていくためには、労働者の賃金底上げが最も重要であることを認識するために、経済学者の山家悠紀夫氏(「暮らしと経済研究所」主宰)をお招きしました。また、全体の春闘情勢、全損保春闘の報告もおこない、自主交渉打切日に向けた春闘決起の場として開催しました。

講演いただいた山家悠紀夫さん
講演いただいた山家悠紀夫さん

 山家先生の講演では、過去20年以上にわたる各種経済指標を資料に、景気の視点から短期、中長期的に日本経済の動向を説明があり、安倍首相がすすめる「アベノミクス」と言われる経済政策が国民・労働者にどのような被害を与えてきたのかを詳しく紹介されました。その中で山家先生は、雇用、賃金、企業利益の指標が増加していると安倍首相が宣伝していることに対し、民主党政権時代の3年間と第二次安倍内閣の3年間を比較し、「GDPの成長率、総生産の増加額で見ても悪化している。本当に良くなったのは、大企業の利益と株価だけであり、国民の生活とは関係ないものである」と「アベノミクス」が大企業にのみ恩恵をもたらすものであると指摘しました。そして、国民の暮らしの状況について、「非正規化がすすみ、低所得者の増加、実質賃金の低下など、どれをとってもひどい状況が作りだされている」と強調しました。また、マイナス金利政策の問題点も指摘したうえで、「一億総活躍社会」として掲げられた新しい3本の矢についても、「いかに多くの『矢』を射ても、後ずさりしつつでは『的』に届かない」と目標の非現実性を問題指摘しました。今の国民の状況については、「『希望が無い』、『お金が無い』、『時間が無い』ということで、未来への展望が見えない」と現実の経済政策と国民生活の温度差を解説しました。最後に、「政府が方針としているのは、社会保障費の削減、労働法制の改悪、消費税増税などであり、まずはこれを止めなければ実体経済も国民の生活も良くならない」「そして、まずは暮らしを良くする政策を実施することで、日本経済は良くなっていく」と今後の経済政策に対する方向性を示し、「そのためにも、労働者の賃上げが何よりも必要であり、日本企業全体を見れば十分その力は持っている」と、労働者の賃金底上げをおこなうことこそ、日本経済と景気を回復させていく道であると、労働組合が視野広くたたかうことを訴えました。

 次に、浦上委員長が講演の感想とともに、春闘の全体情勢と全損保のたたかいの状況について説明し、「山家先生の話にもあったとおり、今こそ賃上げが必要である。経営の出方は昨年に比べて厳しいが、損保各社には賃上げをおこなうだけの資金はある。職場で働く仲間を励ますためにも、自主交渉打切日に向けた労働組合のたたかいが重要となる。最も大事なのは職場からたたかうことであり、そこを力に要求実現に向けて奮闘しよう」と自主交渉打切日に向けて各支部・独立分会の奮闘を訴え集会を終了しました。


参加者の感想から
途中途中に笑いを誘うネタがあり、とても聞きやすかったです。アベノミクスの実態を分かりやすくご説明いただき、GDP600兆円や出生率1.8については、実現可能性について大いに疑問を抱きました。春闘にあたり内部留保等の話があり、世間では希望を感じられたものの、当社の状況からすれば厳しいたたかいになると感じています。気を引き締めて臨む所存です。
アベノミクスの「第二ステージ」の内容を整理していただき、理解することができた。大企業が史上最高の利益を上げても人件費に配分されていない。生活実感と合っている。職場の人と会話していても、世間的にはかなり高収入の損保社員でも、将来不安を口にする人が少なくない。
マイナス金利が何なのか初めてきちんと理解できました。他にもこれまでの経済と今を比べての考察etc。分かりやすく、政府のやろうとしていることがいかに総花的であるかがよく分かりました。
アベノミクスの失敗が数値でよく分かりました。会社が出している文書などではよいように書いていますが、具体的な数値で職場のまわりの人に伝えていきたいと思います。
講演と資料をあわせて聞くことで、景気の現状がよく分かりました。まずは、個々の賃金を上げる努力をしないとこの長期的な不景気から抜け出せないことに納得しました。
安倍内閣は夢ばかりで実質がともなっていない。安心して任せられる総理大臣ではない。政権交代しなければ日本の経済、暮らしは悪い方向へいくばかりだ。しかし、国内余剰金を私たち国民に回してくれれば日本はよくなることが結論として分かった。
講演の内容については、日本の経済情勢、政府の攻撃についてとてもよく分かった。一企業で働いている労働者としての立場では、組合活動が自身の処遇向上につながると考えているが、やはり一国民として国全体のことを考えることも重要だと再認識した。



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