2021年春闘アピール

‘コロナ’にも負けず、
組合員すべての力を結集し、
職場からともにたたかう 2021年春闘


組合員のみなさん
 コロナ禍という未曽有の事態が続いています。感染対策と経済の両立が目指されたものの、昨秋からの第三波で感染拡大は加速し、欧州にて再び‘ロックダウン’が行われるなど、人と物の動きは制限され、2020年は戦後最悪の景気後退となり、経済停滞が長期化することも懸念されています。その収束は見通せておらず、ワクチン接種は英米で始まってはいるものの、全世界への普及には相当な期間がかかる見通しです。
 日本でも同様に、第三波が到来し医療崩壊の危機から、1月7日には緊急事態宣言が再発出されています。一部の業種を除き企業業績は激しく落ち込み、大幅減益・赤字転落となる企業も増加、いわゆるコロナ倒産やコロナ解雇も増加が続き、雇い止めや希望退職募集、冬のボーナスの減額等も増加、雇用環境ひいては国民・労働者の暮らしにも大きな影響が出ています。
 9月に誕生した菅政権は、「国民のために働く内閣」を強調していますが、経済対策GoTo事業へのこだわりの姿勢と、感染再拡大を招いた「後手」の対応が批判され、説明責任・国会軽視、「政治とカネ」の問題とも合わせ、内閣支持率は急落しています。
 こうしたなか経団連は、連合が2%程度のベア実現を掲げたことに対して「企業の労働組合からも共感や理解が得られにくい」とけん制、経労委報告では業種横並びや各社一律の賃金引上げは「現実的ではない」と明記し、高収益や増益の企業で「ベアも選択肢」、業績が悪化した企業は「ベアは困難」としています。
 損保産業では、ビジネスモデルの変化などによる事業環境の先行き不透明さによって、産業の明日が不確かな時代に、その終息とその後が見通せないコロナ禍というかつてない事態に直面することとなり、各経営は、危機感や焦燥感をさらに強め、各社は、これを乗り切り将来に向けて、本業における収益を安定的に拡大し続けるための基盤づくりに躍起となり、「収益力の強化」と「生産性の向上」、「合理化・効率化」の動きをますます強めています。よって、今春闘では、昨春闘よりも一層、各経営は厳しい姿勢・出方となるものと想定されます。
 損保の職場では、そうした各経営の危機感や焦燥感が歪みや犠牲となって転嫁され、ヒトをコストとみなす動きも強まり、「働く者の生活と雇用、労働条件」に対するリスクが現実のものともなっています。そして、コロナ禍に直面し、そのための環境整備も不十分なまま、その負担と頑張りが強いられることにもなっています。2021年春闘アンケートでは、産業と職場、生活と処遇、将来に対する不安、会社、政策、賃金、働き方等に対する不満がまた大きくなっていること、その一方で、その役割発揮、そのための努力と頑張りが求められ、労働生産性が追求される損保に働く者にとって、大変切実な実態、非常に強い思いや声は強まり、労働組合への期待とともにその要求は高まっていることが明らかとなっています。

組合員のみなさん
 2021年春闘は、コロナ禍のもと集まることが難しく、要求実現に向けたとりくみ、“意思結集”と“団結”が困難にさらされかねません。しかし、私たちには、常に組合員一人ひとりの声と思いを大切にして、どのような困難な事態にも怯まず乗り越えてきたという、70年の歴史があります。今春闘は、その経験と教訓を活かし、とりまく情勢に真正面から向き合い、経営の一方的な出方は許さず、その手には委ねず、自らの手で生活と職場を守り、確かな明日への展望を切り開くため、たたかう春闘です。
私たちは、
○各支部・独立分会の課題とたたかいを全体で共有し、それぞれの理解と納得を大事に、全組合員の知恵と力を結集して、ともに全損保統一闘争をたたかいます。
○これまでの春闘の到達点に立ち、労働組合の力と可能性に確信をもち、共感を広げ主張と団結を力に、たたかいを職場から構築し、主体的にすすめます。
○とりまく情勢、経営の出方を冷静に見定め、直面する課題、もたらされる事態には真正面から向き合い、「生活と雇用、労働条件を守る」という不動のスタンスのもと、職場の現実と思いに寄り添い、そのときどきに最も求められる労働組合の役割を追求します。

 ‘コロナ’にも負けず、要求実現に向かって、この労働組合、そして全損保統一闘争のもと、すべての組合員がその力を結集し、2021年春闘を職場からともにたたかっていこうではありませんか。

2021年1月22日
全日本損害保険労働組合 中央執行委員会

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