「人が集まって語り合うこと」の
大切さを忘れず
組合員すべての力を結集し
「賃金水準の引き上げ」をかちとる
2021年春闘方針を全員一致で確立

全損保第83回定期全国大会を開催
春闘勝利にむけ団結ガンバロー
春闘勝利にむけ団結ガンバロー


開催あいさつの西田賃対部長 議長の浦山代議員(セコム損保支部)
開催あいさつの
西田賃対部長

議長の浦山代議員
(セコム損保支部)

 3月17日、全損保第83回定期全国大会を東京(エデュカス東京)において開催しました。
 大会は、西田常任中執(賃対部長)の開会のあいさつにはじまり、浦山代議員(セコム損保支部)を議長に選出した後、来賓として国民春闘共闘の小畑代表幹事、友好労組である損保料率機構労組の山田委員長、大同労組の宇久委員長はリモートで、それぞれ挨拶を受け、金融共闘からのメッセージを披露しました。
 その後、及川書記長が一般経過報告、一般会計収支中間報告、能登原会計幹事が監査報告をおこない、大同損調労組、自賠責損調労組からのメッセージ代読の後、浦上委員長が議案第1号「2021年春闘方針」を提案しました。

第1号議案を提案する浦上委員長
第1号議案を
提案する
浦上委員長

 提案では、東日本大震災から10年が経過してもなお、4万人以上の方々が避難生活を余儀なくされていることにふれ、あらためて政治や経済が「被災地の方々が安心して暮らせるための生活の復興、地域の復興」へ果たす役割の重要性とともに、全国各地で起こる大規模災害で被災者の暮らしや街の復興を下支えしたという損保の担った役割の重要性を強調しました。
 そのうえで、収束のめどがたたない新型コロナウイルス感染症の拡大がもたらす未曽有の事態について、各国で人の移動を厳しく制限していることから、全世界的に経済が一気に落ち込み、第二次世界大戦後で最悪の景気後退となっている状況を説明しました。日本でも秋以降、第三波と言われる感染の再拡大が起こり、医療崩壊が現実の問題となったことから1月7日に緊急事態宣言が再発出され、景気がさらに悪化する見通しとなっていること、“コロナ倒産”や“コロナ解雇”が増加するなど、国民・労働者の雇用が脅かされ、暮らしにも大きな影響を与えている状況を明らかにしました。そのうえで、「国民が求めているのは、コロナ拡大の収束と、富の一極集中ではなく、『誰もが景気が良くなった』と実感できる経済体制への転換である」と強調しました。そして、政府の後手に回るコロナ対策と続出する「政治とカネ」の問題、説明責任を果たさない菅政権の姿勢を批判しました。加えて、国民に不安をもたらす各種成長戦略、安保関連法の具体化による「戦争ができる国」づくり、改憲動向の強まりなど、平和と民主主義を破壊する動きが強まっている状況について、その危険性を指摘しました。また、政府の「賃上げ」要請を受けた経団連が「コロナ禍で業績はまだら模様」だとし、「横並びの賃金引上げは現実的ではない」と言及する姿勢について、「労働者・国民の生活を顧みない身勝手な姿勢である」と指摘しました。
 一方で、「国民の声と行動が変化を生む」という「歴史的転換点」にある時代の特徴にふれ、「こうした政策をすすめる政権に対する国民の目は厳しくなっており、政治課題で多くの国民が『NO』の意思を示し、市民が『反対』の声をあげて行動が広がっている」と強調し、「声に出して行動を起こせば、時代が変わる歴史的転換期であり、私たちが安心して暮らせる国にするためのせめぎあいが続いていることを確信に、声に出し力を結集してたたかうことで、私たちの明日を手にしていこう」と訴えました。
 損保情勢では、相次ぐ大規模自然災害による保険金の増加、再保険料率の上昇などによる保険収支の悪化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な経済停滞が業績に負の影響をもたらす懸念など、「事業環境の先行きがますます不透明となっていることから、経営の危機感は増している」とし、中小社も巻き込んで損保各社の政策すべてが「収益力の強化」をめざしたものとなり、「合理化・効率化」、労働生産性を追求する動きが強まっていると指摘しました。
 こうしたなか、コロナへの対応として、出社人数を制限するための在宅勤務などテレワークが推進され働き方が急変していることを、全損保が実施した「在宅勤務に関する実態調査」の結果から説明したうえで、「会社業務を自宅でおこなわせているにもかかわらず、その環境整備は後回しに、労働生産性の向上を理由に今後もこうした働き方をすすめようとしている」とし、会社責任で働きやすい環境整備を求めていくことの必要性を強調しました。
 また、「早期支払い」を指標に競争が激化する災害対応も含めて各社政策の歪みや矛盾がすべての損保労働者に押しつけられ、生活と労働条件を脅かし、働くものの誇りと働きがい、産業の社会的役割を喪失させていることを職場の実態から説明し、将来不安がさらに高まっている状況を訴えました。
 一方で、賃金水準の引上げに対する職場の期待と要求が例年以上に高まっているアンケート結果を紹介しました。そして、昨春闘同様に、「人が集まる」ことに制約があり、意思結集や団結をはかることが困難になることが想定されるとしたうえで、「全損保には、常に組合員一人ひとりの声と思いを大切にして、どのような困難な事態にも怯まず乗り越えてきたという70年のたたかいがある。その経験と教訓、昨春闘の成果や到達点を力に、2021年春闘もすべての支部・独立分会が『賃金水準の引き上げ』を柱とした要求に固執し、この労働組合に組合員が結集して自らの手で展望をきりひらく春闘にしていこう」と訴え、春闘の具体的な方針を説明しました。

討論をまとめる及川書記長 佐藤副委員長が閉会のあいさつ
討論をまとめる
及川書記長

佐藤副委員長が
閉会のあいさつ

 この提案を受けた議案審議では、計23名の中執、代議員、オブザーバーから活発な発言がありました。損保の社会的役割発揮とかけ離れた各社政策やコロナ禍での働かされ方の問題点、要員が圧倒的に不足し「歪み」が持たらされる職場の現実、雇用や労働条件に対する不安の高まり、各社政策への疑問や問題意識が出されました。
 一方で、労働組合として最も大切にしなければならないのは「人が集まって語り合うこと」であり、そのことを忘れずに企業をこえた組合員のつながりの必要性が語られました。
 審議の最後に執行部を代表して及川書記長がまとめをおこない、2021年春闘方針が全員一致で確立されました。
 審議終了後、春闘宣言が採択され、佐藤副委員長の閉会挨拶・団結ガンバローで全国大会を締めくくりました。

 この全国大会で確立した春闘方針に従い、各支部・独立分会は3月18日一斉に要求書を提出し、「‘コロナ’にも負けず、組合員すべての力を結集し、職場からともにたたかう」全損保の2021年春闘が本格的に始まりました。



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