春闘情勢と他労組のとりくみ・成果、
春闘をたたかうことの重要性を学ぶ
4・14春闘決起中央集会に42名が参加
“密”を避けて開催された春闘決起中央集会
“密”を避けて開催された春闘決起中央集会


 4月14日(水)、東京で「4・14春闘決起中央集会」を開催しました。集会は、コロナ禍での開催となったことから、基本的な感染防止対策を徹底し、参加人数を絞り込む一方で、オンラインによる地方からの参加に加え、YouTubeによる組合員へのライブ配信もおこない、11支部・独立分会、2友好労組から42名が参加しました。
 本集会で学んだことを力に、要求実現にむけて2021年春闘をたたかっていきます。


国民春闘共闘の黒澤事務局長が講演
国民春闘共闘の
黒澤事務局長が講演

 本集会は、2021年春闘における全損保統一行動週間のメイン行事に位置づけ、講演では、春闘情勢とともに、他単産・労組のとりくみ、成果などを学ぶとともに、全損保春闘終盤のたたかいにむけて掲げた要求に確信を持つために、国民春闘共闘委員会の事務局長で全労連事務局長の黒澤幸一氏から、「コロナ禍の21国民春闘 春闘とはなにか」と題する講演を受けました。

 黒澤さんは、冒頭、「仕方ない」から「みんなで変える」を強調し、SNSやツイッターで世論を広げられるとし、「組合活動の見える化」の必要性を訴えました。また、コロナ禍で苦しむ労働者や失業者を対象として全国で開催した「何でも相談会」で相談に来た大学生の事例を紹介しました。居酒屋でアルバイトをしていたその大学生は、休業手当が6割しか支給されないことで生活ができないと相談し、首都圏青年ユニオンに加入し、人生初めての団体交渉で「大学生も労働者」と主張し、休業手当10割支給をかちとりました。その結果、チェーン店すべてで「全従業員に全額給与補償する」とすることができた成果を紹介し、「こうしたことはどこでも起こっている。労働組合が無ければ泣き寝入りするしかなかった」と労働組合の存在意義を強調しました。
 その後、パワーポイントを使って、新型コロナウイルス感染拡大がもたらしている事態、行政改革で保健所と感染症病床が減らされてきた事実、所得格差が拡大する日本の実態などを詳しく説明しました。そして、日本で中心となっている企業別労働組合では会社の業績如何で賃金の引き上げに難しさがあることを説明し、「産業ごとに処遇水準を引き上げるには、産別春闘での統一的なたたかいが必要」とし、産別、地域への結集の重要性を強調しました。そのうえで、コロナを口実に600人の退職強要を撤回させ雇用を守った自交総連・目黒交通労組のたたかい、会計年度職員の勤務時間半減を白紙撤回させた埼教組ひき・比企労連のたたかい、夏のボーナス全額カットを撤回させた東京女子医科大学労働組合のとりくみなどを紹介しました。
 最後に、財界の春闘破壊攻撃と労働組合の組織率減少、非正規雇用者の割合が増加している現状を問題指摘したうえで、「労働組合が力をつけて声を上げられる状況にすること以外にこの状況は変えられない」とし、@要求で組織化=要求が持つ本来の求心力で組織化をはかる、A当事者性=当事者の声が職場を変え、社会を変える、B仲間づくり=要求と運動と仲間づくり、の3点をあげ、「コロナ禍で労働者が苦しんでいる今こそ、労働組合が力を発揮する時ではないか」と春闘でたたかうことの重要性を訴えました。

進行の梶谷常任中央執行委員(賃対部) 閉会する西田賃対部長(常任中央執行委員)
進行の
梶谷常任中央執行委員
(賃対部)

閉会する
西田賃対部長
(常任中央執行委員)

 次に、各支部・友好労組の代表者、地方からZoomで参加している代表者、計8名から、講演を聞いて感じたこと、職場の状況、春闘への期待などについて発言があり、西田本部賃対部長が「講演では、組合活動の見える化、仲間づくり、労働組合の力をあらためて認識し合えた。今春闘も、人が集まることが難しいなかで団結をどうつくっていくかが課題となっているが、自主交渉打切日にむけて、今日の集会を力にしてたたかい抜こう」と各支部・独立分会の奮闘を呼びかけ集会を終了しました。

地方からもZoomで参加
地方からもZoomで参加



参加者の感想より
<講演の感想>
組合の場の講演のイメージが変わる講演でした。資料も講演もとてもわかりやすく、画像で見てる人たちにも、とても分かりやすくて、自分のことに受け止められる講演だったと思います。春闘の場が、組織としてまとまるのに大事な機会だと改めて感じました。SNSの活用は、気をつけることはあると思いますが、会社にも組合にも影響力が大きいツールだと感じました。
具体的な数値や事例を基に、大変分かりやすいお話しでした。新型コロナで今の社会のひずみが、あぶりだされたこともわかりました。今の社会は労働力を時間決めで売る原則だから、安売りしてはいけない、人格を売ってはいけない、契約と違う働き方をしてはいけないという、基本的なことを改めて理解しました。それを守らせるために、労働組合があるのだと思います。
この1年間、コロナ禍での情報はテレビでいやというほど耳にしていました。その話題が多く大変勉強になりました。テレビでは、こんな状況ですとは伝えていても、組合を作って、組合に加入して、このような結果になったことは伝えていないので、マスコミもそこを強調して欲しいなと思いました。資料も分かりやすく、もう一度読み返して、本日参加できなかった組合員に説明したいと思います。
自公政権は、国民に寄り添わず財界やアメリカの顔色をうかがいながら政権運営をしている。会社の経営陣も同様に、従業員に寄り添った経営をおこなっているとは到底思えない。本日の講演を聞いて「労使対等」の立場で会社を良くすることが、「労働者の幸せ」につながることを再認識することができた。
講演は、内容・資料・お話ともに、いくつもの好事例も交えられ、大変分かりやすく、期待以上にとても良かったです。元気ももらえ、組織拡大のオルグのようにも感じました。特に印象深かったのは、「見える化」「仲間づくり」「労働組合の力」の3つです。すべて根底ではつながっており、表現は違えど、全損保でも常に大事にし、組合員に訴えてきているものですが、言葉を変えて聞き、あらためて自分たちに足りないことを、それは実践で行動、そしてその徹底ということですが、気づき考えさせられました。
<集会の運営について>
YouTubeを使用した生配信は、多くの人に全損保のとりくみ、労働組合のとりくみを広げるために実用的であると考えます。
春闘決起中央集会では、初めてのリモート、YouTube活用など、集まって話し合うことも大事ですが、併用すれば遠くの人とも繋がれるリモートのメリットもあり、今後もぜひ併用していただけたらと思います。
オンラインによって、なかなか参加できない遠方の組合員が意見を言えたのは、非常に良かったと思います。



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