「西日本のつどいin大阪
―学ぼう・話そう・楽しもう」を開催

「集まって話し合う」ことの大切さを実感した「西日本のつどいin大阪」
「集まって話し合う」ことの大切さを実感した「西日本のつどいin大阪」


 2月14日(土)、「西日本のつどい−学ぼう・話そう・楽しもう」を大阪で開催し、西日本を中心に7支部・独立分会から31名が参加しました。

 今回の“学ぶ”は、毎日新聞社社会部記者で元新聞労連委員長の東海林智さんをお招きし、「26春闘をどう闘うのか〜労基法改悪に抗い働く尊厳を守るために〜」と題した講演を受けました。

“学ぼう”
“学ぼう”=講師の東海林智さん
“学ぼう”=講師の
東海林智さん

 東海林さんは冒頭、ご自身がなぜ労働者の実態を取材し続けているかについて、ご自身を育ててくれたご両親の話を例に出し、「両親はこんなに一生懸命働いているのに何故こんなに貧しいのだろう」と感じ、働くことと生活に疑問を持ったことがきっかけだったと紹介しました。そのうえで、厚生労働省内に設置された「新しい時代の働き方に関する研究会(新時代研)」が2023年11月に発表した労働基準法(労基法)の見直しに関する報告書と、日本経団連が2024年1月に発表した「労使自治を軸とした労働法規制に関する提言」について説明しました。そのなかでは、働き方が多様化している現状にふさわしい労基法に変えるとして、労使の合意で“デロゲーション”(適用除外、逸脱)を可能にする労基法を解体する動きだと指摘しました。この動きに対して東海林さんは、「労基法は労働者が働くうえで最低基準を定めたものであり、これに違反した場合は刑罰を科す強行法規。その労基法に労使の話し合いによる“デロゲーション”を設けることは、刑事罰となる犯罪行為を加害者と被害者の合意で適用除外することであり、大変危険な動きだ」とその危険性を強調するとともに、この動きを止めるのは労働組合の役割と強調しました。そして現在、高市首相が「労働時間規制の緩和」を狙って“働き方改革”の見直しを指示したことを紹介し、財界が望む最終的な狙いとして、@裁量労働制の適用拡大、A労基法の底抜けを揚げました。
 春闘については、2025年春闘で連合は5.25%の賃上げをかちとり30年ぶりの大勝利をしているが、物価上昇率が3%であることから実質的な賃上げは0.25%に過ぎず、中小では4.65%の賃上げで実質0.35%賃金が目減りしているとし、実質賃金が下がり続けていることを明らかにしました。そしてバブル期の30年前と比べて景気の良さは感じないとし、「景気が良くなくても賃金を上げており、30年間いつでも5%の賃上げはできたはず。企業の支払い余力はあるのに、労働組合が要求してこなかった」と労働組合の姿勢を指摘し、「物価上昇分はきちっと取り返す」ことの必要性を強調しました。
 また、ストライキにとりくむ意義について説明しました。近年は“ストなき時代”となっていること、ストライキに対してネガティブな意見が多くあることを紹介したうえで、「ストライキを打つための労力とは、まさに労働組合活動そのものである。声をかける、話し合う、要求を語りあうことを通じて理解を得て、団結を高めることにつながる。真剣にストライキと向き合えば労働組合の力は飛躍的に高まる」と強調しました。そして、社会的に注目され地元住民の応援を受けて成功させたそごう・西武労組のストライキの意義、ドイツの裁判所が「スト権を立てずにおこなう賃金交渉は『集団的な物乞いである』」と判示したことなどを紹介し、ストライキの重要性を説明しました。
 最後に、「ストライキを打てないような労働組合は経営になめられる。2026年春闘ではそのことを考えて欲しいし、団結権を見つめなおして欲しい。“デロゲーション”が語られても労働組合が強ければ対抗できる。経営の分断攻撃に対して労働組合のもとで連帯・団結して対抗すればこの国も変わるはず」と参加者に呼びかけました。
※東海林さんの著書「ルポ低賃金」(地平社)に講演内容に通じる労働者の実態が書かれています。ご購読をお勧めします。


“話そう”
“話そう”=率直に職場実態を交流
“話そう”=率直に職場実態を交流
 続いての“話そう”では、3班に分かれて分散会を行いました。そのなかでは、講演の感想を交えて自身の生活、労働の振り返り、会社政策や職場の状況とともに、不安や不満などを出し合い、「何とかしたい」「労働組合への思い」を口々に語りました。職場実態が悪化していく中で「おかしいことはおかしい」と声を上げることのできる全損保の良さを認識し合う“話す”場ともなりました。


 その後、各分散会の報告がなされた後、閉会のあいさつで中嶋常任中執(日動外勤支部)は、「東海林さんの講演でストライキが労働者にとって重要な権利であることを再確認できました。分散会では職場実態の共有もはかれ、“学ぼう”“話そう”を実感できたと思います。この集まりで実感した労働組合の大切さをいかして要求実現にむけて頑張っていきましょう」と述べました。


“楽しもう”
 会場を移して開催した“楽しもう”=懇親会では、西日本のつどいでは恒例となった3つのチームに分かれた「言葉のビンゴ」で楽しみました。今年のお題は「スーパーで売っている野菜」、」「趣味」、「冬と言えば…」とし、チームごとに作戦会議で盛り上がり、珍答や年代の差が出る答えも飛び出し、大いに盛り上がりました。

“楽しもう”=「言葉のビンゴ」で大盛り上がり “楽しもう”=「言葉のビンゴ」で大盛り上がり
“楽しもう”=「言葉のビンゴ」で大盛り上がり

 西日本のつどいin大阪は、日頃、全損保のとりくみにふれることが難しい組合員が、会社や地域をこえて集まり、今後も地域で組合員が集まるとりくみの土台となりました。全損保では春闘期間中、各地域で、様々なつどいを開催していきます。組合員の積極的な参加を呼びかけます。


参加者の感想より
【講演】
ストライキの話は、自分たちが雇用を守るためにストを決行して会社と闘っていた頃を思い出しました。当時は仲間たちの怒りが結集し、一つになって闘っていたので効果的な行動だったのだなあと思いました。
そもそも労働者と使用者の立場が、圧倒的に使用者側が強いからそれを是正するために労基法が制定されたはずなのに、「デロゲーション」の話は労基法の基本理念を根本的に否定するとんでもない話だと思います。
現在直面している「新しい時代の働き方」について学習できる機会を得られて良かったです。日常の忙しさに忙殺されて知らない事を学べて良かったです。分散会では各支部のお話を聞けてそれぞれ苦労されていることを知りました。普段お話しする機会が無いので新鮮な印象でした。
東海林さんの講演を聞いて、労基法を新しい時代に合わせて労使で合意すれば制度を変えることができるしくみが協議されていることを知り、会社のやりたいように都合よく変えられるようになっていくことは、怖いことだと思いました。職場の実態に合わせて多様な働き方を選べるしくみは良いと思いますが、裁量労働制の運用は難しい問題が多いと感じました。
高齢者の賃金にもっと光を、と感じました。会社が社員の給与や職場の環境を理解するには、労働組合という組織の必要性を強く感じました。
東海林さんのお話は率直で分かりやすかったです。危険な言葉“デロゲーション”について分散会ではいろいろな話し合いをしましたが、確かに今の時代の人たち向けの日本の働き方になっているのはずいぶん前から感じてはいるものの、具体的にどういう声をあげていくべきかも分からず働いている気がします。責任逃れの労働基準ではなく、しっかり働く意欲を持つ人を増やす国になるようにと切実に思う講演、分散会でした。
【全体】
外資系損保で働く方々や、合併を控えた会社の方の話が聞けて、大変刺激を受けました。職場の中でさえ交流する機会が激減しているなかで、このような交流の場は大変貴重になってきていると思います。
久しぶりの参加でしたが、いろいろなお話を聞けて刺激を受けました。全損保の組合に加入していて良かったと改めて思いました。仲間と話をする機会はとても大切なものだと思いました。
同じ損保で働く仲間ですが、支部ごとに働く環境も業務内容が違いますが、いろいろな話を聞くことができて良かったです。悩みや思いを話せる場、共感する場があることにとても感謝しています。こういった場にはこれからも参加していきたいです。
日々、個人で業務を行う繰り返しで過ごしている中、つどいに参加してみなさんと話ができる場でした。独りではなく、横のつながりを感じられ、引き続き開催されることを希望します。
いろいろ意見が聞けて大変良かった。仕事の悩みは吐き出すだけでも良いし、悩みの内容は今後の問題解決につなげられる。
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